僧帽弁閉鎖不全症の怖さ

初期の心臓病は明らかな症状があらわれにくく、病状に気がついたときにはすでに手遅れになっていることも少なくありません。

少しでも愛犬に異変を感じたときには動物病院のアドバイスを受けてください。

僧帽弁閉鎖不全症とは

心臓病には先天性の心奇形や、フィラリア症、心筋症などがありますが、最も多いのが「僧帽弁閉鎖不全症」という病気です。

この病気は、マルチーズ、シーズー、キャバリア、ポメラニアン、チワワなどの小型犬の発生が多いといわれています。

1.僧帽弁閉鎖不全症の怖さ

症状が出てから半年後の生存率は約50%という統計があるほか、心不全を起こしてから1年以内に半数以上が亡くなり、2年以内にはほとんどのワンちゃんが亡くなるという恐ろしいデータもあります。

2.僧帽弁閉鎖不全症のメカニズム

心臓の左心房と左心室の間には帽弁という弁があって、血液が一定の方向に流れるように働いています。

僧帽弁閉鎖不全症とは、この弁が完全に閉鎖せず、血液の一部が左心室から左心房へ逆流してしまう状態のことをいいます。

3.僧帽弁閉鎖不全症の症状

病気の初期には心雑音以外の症状はありませんが、進行すると咳が出たり、疲れやすくなります。

さらに進行すると肺水腫をおこし、咳や呼吸困難に陥り死亡してしまいます。

動物病院での治療の実態

心臓への血液の逆流は心雑音として聴診でみつかります。

心雑音は聴診器を使って検査すればすぐに分かりますので、動物病院での診断の第一歩は

心臓の聴診ということになります。

僧帽弁閉鎖不全症の治療は対処療法しかありません。

心臓機能の状態をレントゲン検査と心エコー検査で判定し、心臓の拡大が認められる場合には投薬治療がおこなわれます。

投薬によって病気が治るわけではありませんが、病気の進行を遅らせ、延命することを目的とした治療になります。

自宅でできるチェック法

1.心音をチェックする

心臓の雑音は聴診器で聞くことが可能で、ワンちゃんを抱っこしている時にその音を聞くこともできます。

表現は様々ですが、通常の心音に混ざって「ザーッ、ザーッ」「シャーッ、シャーッ」「ザザッ、ザー」といった雑音が聞こえることがあるそうです。

2.心拍数を図る

ワンちゃんの胸の心臓の位置に手のひらか耳を当てて、1分間に何回鼓動を感じるかを数えます。

安静時における成犬の1分間の心拍数は、小型犬で60〜80回、大型犬で40〜50回くらいです。

たとえば小型犬の場合、1分で80回を上回るようであれば気をつける必要があります。

3.呼吸数を測る

呼吸数と心不全には密接な関係があり、心臓の状態が悪くなってくると、呼吸数は上昇します。

安静時における成犬の呼吸数は、小型犬で1分間に20回前後、大型犬では15回位です。30回を超えると異常なサインで、40回を超えれば心不全を示す危険なサインとなります。

4.食欲の変化をチェックする

ワンちゃんが体調が悪くなれば、食欲が落ちます。

そして、もうひとつの特徴的な症状が偏食です。

大好きなものを急に食べなくなり、目新しいものだけをよく食べるといった傾向がある場合は注意してください。

食欲の変化とともに、急激に体重が落ちている場合も注意が必要です。

5.その他のチェック項目

日頃からワンちゃんの被毛や皮膚の状態をチェックしてください。心臓病の場合も、毛艶が悪くなったり、脱毛や皮膚炎の症状が現れることがあります。

まとめ

僧帽弁閉鎖不全症は大変恐ろしい病気です。

飼い主さんが気がついた時にはすでに手遅れということも少なくありません。

シニア期の小型犬についてはとくに注意していただき、やはり定期的な健康診断をしておくことをおススメしたいと思います。