犬の認知症について

人間同様にペットの高齢化が進み、認知症にかかるワンちゃんは少なくありません。

もし愛犬が認知症になってしまったら、どのようなお世話が必要なのでしょうか?

また認知症を予防するためには、飼い主はどうしたらいいのでしょうか?

発症年齢と要因

一般的に7歳以上のワンちゃんがシニア犬と呼ばれていますが、さらに高齢になると認知症のリスクが高まります。

アメリカの調査では、11~12歳のワンちゃんの30%に認知症の症状があり、さらに年齢があがり、15~16歳では70%に症状が認められるといいます。

日本国内の調査でも、多くは11歳から発症して、13歳から症例が急増するとの報告があり、外飼いされているワンちゃんや日本犬、とくに柴犬が認知症になりやすいというデータがあります。

外飼いの場合は、普段飼い主さんとのコミュニケーションがとれておらず、生活に刺激が少ないことから、痴呆がすすみやすい傾向があるといわれていて、日本犬の場合については、食生活の変化によるものではないかという指摘があります。

日本犬は古くから魚を中心に動物性タンパク質を摂取していましたが、食生活の変化(ドッグフードの食事)によって痴呆のリスクが増したという研究があるそうです。

しかし、それ以外のワンちゃんについても体格や犬種に関係なく、年齢にしたがって認知症の症状が見られるようになります。

認知症の症状

ワンちゃんにこのような症状が現れたら認知症を疑ってください。

①ごはんをしょっちゅう欲しがるようになった

②生活が昼夜逆転し、夜中に甘え泣きや遠吠えをするようになった

③同じところをグルグル回るようになったり、よく体をぶつけるようになった

④飼い主の呼びかけに反応がなく、元気がなくなった

要するに、人間の認知症と同じような症状になるということですね。

認知症の治療の実態

認知症になったワンちゃんに対しては、動物病院でも決定的な治療法はなく、対処療法が中心になります。

食事療法としては、DHAやEPAなどの抗酸化物質を含む食事やサプリメントが症状の進行を遅くする効果があるといわれていて、推奨されています。

動物病院ではこれらの食事療法とともに、鎮静薬や抗不安薬などが処方されます。

普段の生活の注意点

室内飼いの場合、認知症のワンちゃんは、飼い主がちょっと目を離した間に家具の間に挟まってしまったり、壁に頭をぶつけたり、狭いところに入り込んでバックで出られなくなってしまうことが多くなるなど、運動機能が低下していきます。

この対策については、リビングに円状にサークルを設置してその中で過ごせるようにするなど、生活環境に合わせて工夫をするといいと思います。

夜中に起きて吠えてしまうと、ご近所にも迷惑がかかりますね。

この問題については、 なるべく昼夜逆転の生活をさせないことが大切です。

昼間に寝ていたら刺激を与えて起こしたり、日光浴をさせたりして、できるだけ夜に寝かせるようにしましょう。

排泄の世話も大変になってきますが、犬用のおむつを使用するといいでしょう。

大型のワンちゃんの場合は、人間用のおむつに尻尾を通す穴を開けて使う飼い主さんもいます。

大切なのはワンちゃんとのコミュニケーションと正しい食事

飼い主とのコミュニケーションは脳によい刺激になるだけでなく、絆を深めることにもつながります。

普段から、愛犬に話しかけたり、なでるなどのスキンシップを図りましょう。

認知症のワンちゃんの介護は大変だと思います。

一人で抱え込まずに、日中預かってくれるサロンやペットシッター、ペット用のデイケアサービスさんなど、頼れるところには頼って、飼い主さんがいつも明るく元気でいられることが一番大切だと思います。

散歩については、ときどきいつもの時間・同じコースから変えてみたり、ドッグランで他の犬と触れ合うこともいいと思います。

ワンちゃんの脳に刺激を与えることで脳が活性化し、進行を遅らせることができます。

食事療法は認知症の悪化を食い止めるためだけではなく、予防についても有効です。

シニア犬への仲間入りをした頃をきっかけにバランスのいい食材をつかったフードに代えたり、サプリメントを与えると、いい効果が得られそうですね。