一晩中続く大きな鳴き声に、あちこちにかけられるマーキングのおしっこ…。
このような発情期の野良猫の行動に困っている人も多いと思います。
今回はペットのオスねこに去勢手術をしない場合の問題行動を解説し、去勢することが常識である理由について解説します。
発情期中の大きな鳴き声
発情期中、メスねこはオスに自分の居場所を知らせるために、びっくりするような大きな声で鳴きます。
オスも大きな声を出して他のオスを寄せつけないようにするために警戒のサインを発します。
夜行性のねこは一晩中泣き続けることもありますが、これは本能なので、叱ったり閉じ込めたりしてもおさまりません
夜鳴きに耐えかねてマタタビを与えて気を紛らわせるとか、獣医師さんに睡眠導入剤を処方してもらうといった対処法もあるようですが、かえってねこの体に負担が掛けてしまう可能性があるので、あまりおススメはできません。
発情期中のマーキング
トイレのしつけができているねこでも、発情中は家中あちらこちらにおしっこでマーキングをしてしまいます。
オスはお尻を高く上げて、おしっこを後ろにまき散らすスプレーと呼ばれる行動を取ります。
自分の縄張りを主張し、より高い位置に臭いをつけて、自分が大きなオスであることをアピールするのです。
発情期中の脱走
単独飼育であっても、窓の外に他のねこの姿が見える環境にある場合は脱走に要注意です。
外にいるねこの気配を感じたり、鳴き声が聞こえるだけで興奮してしまう場合があります。
内飼いのねこも、発情するとメスを求めて外へ出ようとします。
うっかり脱走してしまった場合には、ほかのオスとのケンカによるケガや、交尾による感染症が心配されます。
去勢のメリット
発情期の行動を予測するのはなかなか困難です。
ねこにとっても、交尾のない発情が続くのは大きなストレスになり、寿命にも影響するといわれています。
手術をするのはかわいそうに思いますが、繁殖の予定がないのであれば、必ず去勢をしましょう。
そのほうが、飼い主さんにとっても、ねこちゃんにとっても幸せです。
性的欲求のストレスがなくなる
室内飼育のオスはメスに出会うチャンスはないので、悶々とした気持ちが解消されることはありませんが、去勢手術をすれば、このような「果たせない欲求」のストレスはなくなります。
病気の予防ができる
室内飼育であれば関係ありませんが、オス同士のケンカがなくなるので、猫エイズなどの感染リスクを軽減することが可能です。
また、去勢により前立腺の病気や精巣腫瘍の発生予防も望めます。
性格が温厚になる
個体差がありますが、去勢をすると攻撃性が緩和され、怒りっぽさや他のオスとのケンカなどの問題行動が少なく可能性が考えられます。
去勢の時期について
通常、ねこは生後 6~10か月で性成熟を迎えます。
初回の発情を経験してスプレー行為を覚えてしまうと、手術をしてもおさまらないケースもあるようなので、去勢手術は最初の発情期を迎える前におこなうべきです。
まとめ
去勢についてのデメリットはあまりありません。
一点だけ注意したいのは、ホルモンの変化によって肥満になりやすいことです。
食欲が増進するだけでなく、運動が減って代謝も低下する傾向があるため、同じ量の食事でも去勢後は太りはじめます。
去勢後は、ごはんの与えすぎに注意して、体重オーバーにならないようにしましょう。