人間にとって身近な白髪ですが、犬についても一般的にシニア犬とされる7歳以降から、口周りを中心に白髪が生えるようになります。
それでは、ねこの場合はどうでしょうか。
今回はあまり注目されていないねこの白髪事情について解説します。
ねこにも白髪が生える
ねこにも白髪が生えます。
とくに目や口、耳の周りなどに白髪が生えることが多く、背中やお腹などにも生えてきます。
白髪の生え方にもそれぞれ個性があります。
広い範囲で全身の被毛の色が薄い色に変化したり、耳や口の周りなど顔の一部に真っ白な被毛が生えるケースもあります。
被毛の色が濃いねこの場合はとくに目立ちます。
縞模様がある場合は、年齢とともに模様が薄くなる傾向が見られるそうです。
ねこの白髪のメカニズム
ねこに白髪が生える原因は、人間に白髪が生えるメカニズムとほぼ同じです。
人間の毛髪やねこの体毛には、元々色がついているわけではありません。
被毛が皮膚の表面に出る前はもともと透明で、色素形成細胞であるメラノサイトの働きで被毛にメラニン色素が生成され、均等に着色されてから生えてきます。
人間同様、ねこも加齢とともにメラノサイトの機能が衰えてきます。
被毛の抜け替わりを繰り返していくとメラノサイトの機能が低下し、被毛が着色されないまま白髪として生えてくるのです。
老年性の原因のほかには、生活習慣や免疫力低下、必要な栄養分やミネラル不足、ストレスによって白髪が発生するケースが考えられます。
親子で同じ部分が白髪になるケースは、メラノサイト機能の遺伝による可能性もあるようです。
白髪は何歳ごろから生えるのか
当然個体差はありますが、一般的に老年性白髪はシニア期である7歳ごろから生えるケースが多いといわれています。
ねこの7歳は人間でいうと44歳ぐらいだそうです。
白髪と異なるケース
白髪と異なる被毛の変化
毛の色の変化を白髪と断定するのは時期尚早かもしれません。
年齢の若いねこは被毛の色が定まっていないことが多く、年齢とともに白っぽくなったり、その逆に模様がはっきりしてくるケースもあります。
夏毛と冬毛では毛の密度が異なるので、季節によっても被毛の色の変化が生じる場合があります。
白猫と白髪の違い
白いねこの被毛は、メラニン色素が不足しているのではなく、被毛の色を白くする「白色遺伝子」によるものです。
ねこの毛の色は遺伝子の組み合わせにより、様々なパターンがあります。
白にほかの色が混じる被毛パターンもありますが、これも白色遺伝子の働きです。
まとめ
愛猫に白髪を見つけた場合に、どこか具合が悪いのだろうか、ストレスが溜まっているのだろうかと心配になることもあります。
被毛の色とともに、毛艶や食欲の変化などにも注目して、そのほかの老化のサインを見逃さないようにしましょう。
しかし、人間と同じように年齢とともに色素が薄くなって白髪になることはごく自然なことですから、ほとんどの場合は必要以上に心配しなくても大丈夫です。