愛猫が毛玉を苦しそうに吐き出す場面を見たことがある飼い主さんもいらっしゃると思います。
健康なねこを対象として聞き取り調査をした結果、年に2回以上毛玉を吐く割合は短毛種で25%程度、長毛種で50%程度という報告があります。
今回は毛玉を吐く原因について、また毛玉を吐くときの対処法や日常ケアでの予防法などをご紹介します。
毛玉を吐く理由
ねこは一日の中で眠っている時間の次に毛づくろいに時間を費やすといわれるほど、毛づくろいを熱心におこなう動物です。
ねこの舌にはザラザラした突起が付いていて、この突起をブラシのように上手に使って、口の中の唾液で毛をとかしています。
毛づくろいの目的は、体表の汚れを落として清潔にすること以外に、獲物にばれないように自分の臭いを消す役割や、唾液をつけて体温を低下させる体温調節、リラックス効果やコミュニケーションツールといった、ねこの本能的な行動に必要不可欠な行為です。
毛づくろいは、猫が毛玉を吐く理由に大きく関係しています。
毛づくろいの過程で出た抜け毛や汚れは、猫が飲み込むことになりますが、飲み込んだ抜け毛は体内で消化されません。
通常は便といっしょに排泄されるのですが、抜け毛の量が多いと胃や食道に溜まって固まってしまいます。
この毛の塊が毛玉の正体です。
毛玉が多く発生する時期
毛玉が多く発生するのは、換毛期と呼ばれる、夏毛にかわる春先と冬毛にかわる秋の年2回の時期です。
毛の生え換わり時期に抜け毛が増えるため、毛玉も増える傾向にあるのですが、室内飼いのねこちゃんには、季節に関係なく毛玉が見られます。
室内生活の場合は気温の変化が少ないので、年間を通じて緩慢に換毛が起こるからだといわれています。
皮膚病があり患部を気にして体をなめたり、身体のどこかに痛みがあって過剰になめる場合や、ストレスが原因で過剰に毛づくろいをするといった病気が隠れていることも考えられます。
毛玉を吐く頻度が1〜数ヶ月おき程度と多くなく、また吐いた後に食欲もあり、体調に影響がないようなケースは様子をみても問題はないと思います。
しかし、頻繁に毛玉を吐く場合や、咳き込んだり、吐こうとする仕草はあってもなかなか毛玉を吐き出せない場合は、毛玉が胃の中から出せないくらいに大きくなっていることも考えられます。
そのようなケースは、動物病院に診てもらうことをおススメします。
毛玉を防ぐ方法
毛玉の発生を予防するための方法をいくつか紹介します。
ブラッシングをマメにおこなう
日常ですぐに取り入れることができ、最も効果的な毛玉ケアは日々のブラッシングです。
ブラッシングによって、抜け毛を効率良く取り除くことができます。
飼い主さんと愛猫とのスキンシップとともに、血行促進やリラックス効果ももたらします。
愛猫の皮膚の調子を毎度チェックでき、身体の異常の早期発見にもつながりますから、ぜひブラッシングの頻度を増やしてあげてください。
このようなグローブ型の便利グッズもありますよ。
フードやサプリメントなどを活用する
飲み込んだ毛が胃腸をスムーズに通過できるような「毛玉ケア」や「ヘアボールケア」と記載されているフードも効果的です。
毛玉が多くなるシーズンに、いつものフードから変えてみるといいかもしれません。
猫草は、猫の胃を刺激し吐きやすくする食物繊維が主成分で、腸の運動を促し便の排泄を促進してくれる働きがあります。
ただし、刺激が強く、消化不良を起こしてしまう場合があるため、注意しながら与えてください。
いろんなグッズも試しながら、ねこちゃんと楽しくコミュニケーションをとりながら、毛玉対策をしてあげてくださいね。