ねこ好きなら誰もが一度は憧れる多頭飼育ですが、その難しさやリスクを考えずに安易に始めてしまうと、ねこちゃんたちも飼い主さんも不幸になってしまう危険があります。
失敗しないためには計画的な準備が必要です。
飼い主さんの心構えは大丈夫?
先住猫ちゃんがいる家庭に2頭目を迎える前には、覚悟しておくべきことがいくつかあります。
複数のねこたちが暮らすためのスペースが準備できるかどうか、食事代や医療費など経済的な余裕があるかどうかなど、現実的に多頭飼いが可能かどうかを改めて確認したうえで迎える準備をしましょう。
また、先住猫ちゃんのコンディションや性格なども加味して、決断してください。
大切な2つの環境整備
トイレの準備
多頭飼いの場合、理想的なトイレの台数は、「ねこの数+1」です。
トイレは共用でも問題ない場合もありますが、自分以外の猫が使って汚れたトイレで排泄ができないねこちゃんは結構多いです。
それぞれのねこが落ち着いて排泄ができるように環境を整えてください。
食事について
猫種や年齢、体重など、個体差によってあげるべきごはんは違います。
それぞれのライフステージに合わせて変えていきましょう。
ごはんをあげるタイミングは一緒でも構いませんが、別の子のごはんを奪って食べてしまう場合もあるので、一概に同じ場所で食べるのがいいとは限りません。
食器の数は、ねこの数だけ用意しましょう。
重要なポイントは相性がどうかということ
成功しやすい組み合わせ
性別に関わらず、子ねこ同士の組み合わせがもっとも多頭飼育を成功させる組み合わせです。
1歳以下の時期は環境への順応もしやすいので、仲良くできる可能性がもっとも高いといえます。
また、先住猫が成猫で、かつ温厚な性格であれば新入り猫ともうまくやれる可能性が高まります。
結論からえば、どちらかが子ねこ、もしくは両方子ねこであると、よい関係性を築きやすいと思います。
難しい組み合わせ
去勢をしていない成猫の男の子は本能的に子ねこを攻撃してしまう可能性が高いです。
また、女の子同士(成猫)の多頭飼育は、どちらも神経質なことが多いので男の子同士の対面よりも難しいかもしれません。
男女の成猫同士の組み合わせは、相性次第といったところでしょうか。
双方去勢済みであることが条件です。
先住猫との初顔合わせ
実際にどのように生活をスタートしていけばいいかをシミュレーションしてみましたので、参考にしてください。
当然ですが、ねこちゃんの性格によってトライアルの方法を変えていく必要があると思いますので、これがベストの方法とは断言できません。
ステップ1
はじめの1週間くらいは、先住猫と新入りを別々の部屋で生活させて、新入りが環境に馴染むまで待ちましょう。
ステップ2
相手の匂いがするタオルを入れてあげるなど、対面に備えて日々の生活に少しずつお互いの存在をわからせていきます。
ケージ越しに対面をさせて反応を見ながら接触をさせていくといいでしょう。
ステップ3
その後、徐々にケージなしで接触させてみましょう。
どちらかが逃げたり威嚇するなどの行為がみられたら焦らずに中断して、再度日をおいてチャレンジしてみてください。
どうしても相性が悪い場合は
ねこは縄張り意識の強い動物です。
また、元来自然界では群れをつくらない生き物です。
最初は上手くいかない場合でも、ねこちゃんの性格によって2~3か月でお互いを受け入れるケースもあります。が、相性が悪く、どうしても同居がうまくいかない場合は、同居を断念しなければならないことも覚悟しておきましょう。
なにより先住猫ちゃんのストレスや苦痛にならないようにしてあげるのが、飼い主さんのベストの選択です。