ねこの尿は人間や犬とはちょっと種類が違うようで、ツーンと鼻をつく刺激的なニオイがします。
子猫の頃のおしっこには刺激的なニオイはありませんが、成長にしたがって刺激臭がキツくなってきます。
強烈な臭いの訳
コーキシンとフェリニン
人間の尿から蛋白が検出されればすぐに腎臓疾患が疑われますが、ねこは尿中にタンパク質が検出されるという珍しい動物です。
ねこの腎臓内ではコーキシンというタンパク質が大量につくられています。
コーキシンはタンパク質の一種で、人間や犬をはじめ、ほとんどの哺乳類の体内からは検出されない物質です。
コーキシンは生後3か月頃から分泌が始まり、成長に従って増加します。
一方で、尿の中ではフェリニンという硫黄分を含む独特の匂いを出す物質がつくられています。
コーキシンはフェリニンを分解する酵素の働きをしています。
フェリニンとコーキシンの2つの物質の分泌が増える生後6か月頃から、コーキシンの酵素作用によりフェリニンが細菌によって分解され、ねこの尿はあのような強烈な臭いになるのだそうです。
オス猫のおしっこのほうがより強烈
ある研究によると、「どうやら性格が強いオス猫が強烈な匂いを出すらしい」ということが推測されています。
強烈なオシッコの臭いは、力が強く男らしいオス猫の象徴のようなものなのでしょう。
オス猫はメス猫より4倍近くの量のコーキシンを分泌することが判明していますが、去勢後のオス猫はコーキシンの量が減少することもわかっています。
おしっこの臭い対策
猫を飼っている人にとって、猫トイレのおしっこ臭は大きな悩みのひとつです。
そこで、実際に猫飼いのみなさんが、猫トイレのニオイ対策としておこなっている様々な工夫を調べてみました。
フタ付きの猫トイレに代える
フタつきのものや、猫砂と消臭シートの二層構造になっているシステムトイレがいいというレビューをよく目にします。
ただし、まめにシートや砂を交換しないと臭いが残るという感想も聞こえます。
こまめに猫トイレを洗う
消臭シーツを底に敷いても、おしっこは猫トイレの底まで染みてしまいます。
週一回は、猫砂を全部取り出して猫トイレを丸洗いして、しっかり乾かしましょう。
キレイにした猫トイレの底には、あらためて消臭シートを敷きましょう。
固まりのいい猫砂に代える
おしっこが染みた猫砂の取りこぼしも猫トイレが臭う原因のひとつなので、おしっこがしっかり固まるタイプの猫砂に変えてみてはどうでしょうか。
いろいろな種類の猫砂がありますが、ダントツで固まりがいい猫砂は鉱物タイプです。
ただし、鉱物タイプは重くて散らばるうえ、地域によって燃えるゴミで出せない場合があるので事前に調べておきましょう。
消臭スプレーを使う
最近はねこのおしっこ臭専用の消臭スプレーが販売されています。
基本的な1~3の対策をしつつ、気になるときに使うと効果的ですが、スプレー頼みになってしまうとトイレを清潔にする意識が希薄になるので気をつけましょう。
トイレの外のおしっこ臭がとれない場合は
おしっこを中性洗剤やアルコールなどでふきとったあと、ペット用の消臭剤などを使えば大抵の臭いは消えますが、それでも臭いが取れない場合は、熱湯をかける方法がおススメです。
熱湯がかけられない場合は、アンモニアを中和させる働きのある漂白剤を水で薄めて使うといいそうです。