かわいらしい外見と陽気なチワワは愛玩犬として根強い人気があります。
そんなチワワにもいくつか気をつけておきたい病気がありますが、飼い主さんが正しい知識をもって注意していれば予防できる病気もあります。
早期発見を心がければ、愛犬の健康寿命を延ばすことができるでしょう。
チワワの歴史
メキシコ原産のチワワは世界一小さな犬種です。
その歴史は古く、古代メキシコのアステカ文明に実在した「テチチ」という小型犬を祖先にもつといわれています。
1850年にメキシコのチワワという町で3頭の小さな犬が発見されました。
このワンちゃんは町の名前にちなんで「チワワ」と名付けられ、現在につながるチワワの原点になりました。
チワワの性格
チワワは明るく陽気ですが勇敢な性格です。
非常に保守的で、家族とそうでない人をはっきりと区別します。
そのため、侵入者に対しては非常に敏感に反応し番犬として優秀ではありますが、怖がりゆえの吠え癖が多い傾向があります。
チワワがかかりやすい病気
膝蓋骨脱臼
後ろ足の膝の皿がズレたり外れる病気で、骨の形成に問題がある先天性のものと、衝撃などで起こる後天性のものがあります。
小型犬がなりやすい病気で、チワワも注意が必要です。
関節に負担がかかることで発症する病気なので、フローロングで滑らないように工夫したり、段差などで飛び降りたりさせないように気をつけましょう。
肥満にも注意が必要です。
スキップのような歩き方や三本足で歩くなどの症状がみられることがあります。
水頭症
脳挫傷などの後天性のものもありますが、ほとんどは先天性の奇形が原因です。
チワワはアップルヘッドといわれる独特の丸い頭をしているため、水頭症が発症しやすいといわれています。
運動障害や知覚障害、麻痺や斜視などの症状が表れます。
治療は脳圧を下げるための薬の服用など、対処療法が中心です。
完治が難しい病気なので、水頭症と診断された場合は予後をどう過ごさせるかを考えてあげてください。
尿路結石症
膀胱、腎臓、尿道などに石が溜まる病気です。
結石は特に膀胱にできやすく、細菌感染、食事のバランス、水分不足、加齢など、さまざまな原因が考えられます。
チワワをはじめ、ミニチュアダックスやシーズーなど、小型犬に多く見られる病気で、なかでもチワワは「シュウ酸カルシウム結石症」になりやすいといわれています。
排尿回数が増えたり、排尿に時間がかかり尿に血が混じるなどの症状がみられたら、尿路結石を疑いましょう。
治療は超音波で粉砕して自然に排泄されるのを待つか、結石を溶かす食事療法が中心ですが、大きな結石の場合は外科治療がおこなわれることもあります。
気管虚脱
気管が潰れて変形し、呼吸困難や酸欠によるチアノーゼや咳などが起こります。
小型犬がかかりやすい症状で、遺伝性の原因や加齢、肥満などが原因で起こりやすく、頭をのけぞらせて吠える習性がある犬もなりやすいといわれています。
治療は咳止めや抗炎症薬の投与が一般的です。
低血糖症
血液の糖分濃度が低下する病気で、体の冷えや長時間の空腹、内臓障害などによる栄養吸収の悪化などで起こります。
とくに生後3カ月までの子犬は6~12時間ほど食事しないだけで低血糖を起こす恐れがあります。
チワワは活発な犬種なので、食べずに運動すると低血糖を起こしやすいのです。
ブドウ糖溶液などの点滴や消化の良い食事を与えることで回復しますが、低血糖状態が長く続くと命を落とす危険性があるので侮ってはいけません。
角膜炎などの眼病
チワワは目が大きく飛び出しているため、目にぶつかったり異物が入ったりしやすい犬種です。
常時涙が出る、目やにが多い、まぶたの痙攣、充血などの症状があれば角膜炎かもしれません。
抗生物質を投与しながら静養させる治療が一般的です。
僧帽弁閉鎖不全症
心臓弁膜症と呼ばれる心臓の病気です。
大型犬よりも小型犬に多く発症し、チワワにも多い病気です。
心臓内で血液が逆流する状態になり、症状が進行すれば肺水腫や不整脈を起こして突然死することもある怖い病気です。
治療は食事療法や薬の投与が中心です。
まとめ
チワワには先天性の病気や超小型犬という特殊な体型に由来する病気がいくつかあることがわかります。
愛犬の様子を観察して、異変を感じた場合は早めに動物病院を受診してくださいね。