日本の住宅事情において、飼い犬の吠え声が問題になっています。
来客に向かって吠えたり、夜中に遠吠えするなど、飼い主さんの悩みはそれぞれですが、まずワンちゃんがどうして吠えるのか、日頃の観察によって理由を確認することから対策をはじめましょう。
警戒吠え
警戒している時の犬の鳴き声は、速いテンポで連続して吠えるという特徴があります。
道ですれ違う人や宅配業者さん、来客などに吠える時には恐怖や警戒の意味が込められています。
インターフォンが鳴った瞬間から興奮して吠えるワンちゃんもいます。
警戒心によって吠えているときに陥りやすいのが「吠えたら相手が去っていった」という間違った成功体験をしてしまうパターンです。
要求吠えや嬉しさの表現
要求吠え
散歩に行きたい、おやつを食べたいなど、吠えて要求を伝える「要求吠え」は、犬の問題行動の中でも多い事例です。
「ワンワン!…ワン!」というように、間隔を空けて吠えるのが特徴で、間にダダをこねるように、「クーン」というような唸り声や鳴き声が混じることがあります。
嬉しさの表現
警戒や怒りなどのネガティブな感情の時だけでなく、嬉しい気持ちの時にも激しく吠えることがあります。
嬉しい時の吠え方は通常の声よりも高くなるのが特徴です。
遠吠え
犬の祖先であるオオカミは、群れの仲間に狩りに行く合図に遠吠えをするといわれています。
現代の犬が遠吠えをするのは、にぎやかだった部屋の明かりが消え周りが静まり返ったことに対する不安や寂しさが原因であると考えられます。
またサイレンの音は、犬の遠吠えに周波数が近いとされ、近くを通りかかったパトカーや救急車、消防車のサイレン音を仲間の声と勘違いして遠吠えするというケースです。
認知症によるもの
犬も人間と同じように、歳をとるごとに体や脳の機能が衰えていきます。
認知能力が衰えたシニア犬が何かの不安や寂しさに襲われたとき、遠吠えや夜鳴きをしてしまう場合があるようです。
無駄吠えへの対策
警戒吠えを解消する方法
インターフォンが鳴ったり来客があったときに、愛犬を落ち着ける場所に移動させるようにしつけましょう。
興奮して吠える場合は、飼い主さんの指示で冷静さを取り戻すトレーニングをしておくことが大切です。
散歩中の警戒吠えは、多くの場合は他人やほかのワンちゃんとの接点が増えれば、やがて慣れて解決するケースが多いのですが、念のためにいつもの散歩コースを変更して様子をみてみましょう。
環境を変えることで変化が生まれることもあり、ひょっとすると、散歩コースに何か問題があるのかもしれません。
たとえば電車が通る場所や、苦手な飼い犬がいる家の前など、決まった場所で必ず吠えるワンちゃんもいます。
要求吠えを解消する方法
厳しいようですが、要求吠えは飼い主さん自身の問題です。
吠えたから遊んであげる、ごはんをあげる、散歩へ連れて行くという具合に、飼い主さんが奴隷化しているのではないですか?
ついつい愛犬の要求に応えて要求吠えがひどくなる悪循環をストップするためには、我慢するトレーニングを最初からやり直す必要があります。
遠吠えへの対策
寂しくて遠吠えするようなケースでは、愛情不足の可能性があります。もう少し愛犬とのコミュニケーションの時間を増やすなどの工夫をしてみてはどうでしょうか。
まとめ
犬にとって吠えることは自然なことで、使役犬として人間のために働いていた昔から、吠えて人間に知らせるという役目を担ってきました。
「犬は吠えるもの」と理解したうえで、焦らずにまずは原因を突き止め、その原因にあわせて適切な対処をしましょう。
普段の生活では、愛犬を必要以上に不安させないようにして、行動や様子に目を配ることを習慣づけてくださいね。