ワンちゃんに必要な栄養素はドッグフードで充分摂取できます。
したがって、果物を与える場合は、補助食かおやつとして与えてください。
甘くておいしい果物は、犬にとって魅力的な食べ物ですが、大量の果物を与えてしまうと下痢を起こすことがあります。
欲しがるままに与えてしまうと、ドッグフードを食べなくなってしまったり、そのほかの魅力的な人間の食べ物を欲しがるようになるというデメリットがあります。
犬にとって、ほとんどの果物には害はありませんが、一部に危険なものもあります。
飼い主さんはしっかりと理解したうえで、果物を適量与えましょう。
危険な果物
ぶどう
ぶどうは、犬が食べてはいけない果物の筆頭格です。
もし大量に摂取してしまうと、中毒症状を呈し、急性腎不全になる恐れがあります。
実は、ぶどうの危険について知られてきたのは最近のことで、飼い主さんのなかには、知らない人も多いのです。
ぶどうを食べてから2~3時間後には、嘔吐や下痢といった中毒症状を引き起こし、最悪のケースでは2~3日後に急性腎不全を起こし、死に至ることもあります。
中毒になる量は、体重1キロあたり30グラム程度といわれています。
通常売られている巨峰が1粒10グラムとして、体重3キロの小型犬が9粒以上食べると中毒になる計算です。
ぶどうを乾燥させたレーズンも同じように危険です。
お菓子やパンに入っていることもありますから、ワンちゃんが食べないように徹底管理してくださいね。
イチジク
イチジクにはアレルギーの原因となる、フィシンとソラレンという物質が含まれています。
フィシンは人間には整腸作用をもたらしてくれますが、犬には強く作用し下痢症状を呈します。
ソラレンにも同じような働きがあり、下痢や嘔吐といった症状を引き起こします。
アボカド
アボカドは動脈硬化や生活習慣病の予防をしてくれる果物です。
日本国内で栽培されているアボカドには、ペルシンという殺菌成分が含まれています。
この物質は人間には無害ですが、犬が大量に摂取すると下痢や嘔吐などの中毒症状が起こります。
プルーン
プルーンは鉄分を多く含み、美容効果のある果物として知られています。
ところが、犬がプルーンを食べるとアレルギー反応を起こして呼吸困難になる危険があるのです。
また、プルーンに含まれているカリウムは犬には有害で、高カリウム血症になる危険が指摘されています。
ほとんどの果物は大丈夫
紹介した4つの果物以外については、危険なものはありませんが、危険がないとされている果物についても、まれにアレルギー反応を起こす場合があります。
念のため、はじめて与える果物については愛犬の様子に気をつけてください。
ほかの食物にも共通することですが、できるだけ味の濃い果物を与えないようにしてください。
ドライフルーツや缶詰を与える飼い主さんがいますが、あまりおススメしません。
ワンちゃんにとって果物の加工食品はカロリーが高く甘すぎるうえ、長期保存するためにたくさんの添加物が入っているからです。
まとめ
犬にとって果物は必ずしも必要な食物ではありませんが、おやつやフードのトッピングとして少量与える分には問題はありません。
ほとんどの果物は無害ですが、ここで紹介した4つの果物だけは絶対に与えないようにしてくださいね。