ワンちゃんの目が赤い理由としては、「充血」と「出血」の2つがあります。
目の血管が拡張して白目全体が赤みを帯びているのが「充血」で、目の血管が破綻して結膜の下に血液が溜まってしまった状態が「出血」です。
充血や出血の理由
異物の混入
ほこりや砂、草や虫など、目に入った異物に血管が刺激されて充血する状態です。
風の強い日や草木の多いところへ散歩に行ったあとに目が充血していたら、目に何か異物が混入した可能性が考えられます。
外傷のケース
外部からの強い衝撃で、結膜の下の血管が切れて出血することがあります。
不意に何かにぶつかったり、事故やほかの犬とのケンカで傷を負ったケースのほか、室内の鑑賞植物のトゲが刺さったという事故の報告もあります。
角膜などの炎症
目の表面にある角膜や結膜は、異物によって傷つきやすく充血を起こしやすいです。
また、結膜の下にある強膜やぶどう膜は、内部の炎症が原因となって充血することがあります。
病気ではないケースも
ワンちゃんが興奮すると充血がみられる場合がありますが、これは病気ではなく、クールダウンすれば自然に治まります。
もっとも恐ろしいのが緑内障
目の中は眼球内を循環している「房水」という液体で満たされ、つねに一定の眼内圧が維持されています。
ところが、房水の排水路が詰まって眼球内に眼房水が溜まると眼圧が上がります。
眼圧が高くなると、視神経にダメージを与えてしまい、最悪のケースでは失明してしまいます。
この病気を緑内障といいます。
緑内障の初期は無症状ですが、進行すると瞳孔が開いたままになり、瞳の中がオレンジ色や緑に見え、さらに悪化すると、眼球が大きくなり飛び出したようにみえます。
緑内障を一旦発症してしまうと、残念ながら完治させることはできません。
深刻な病気のほとんどが遺伝性疾患
ワンちゃんの深刻な目の病気は、実にその80%が遺伝性だといわれています。
トイプードル、ミニチュアシュナウザーなどの白内障、柴犬、シーズーなどの緑内障、ミニチュアダックスフンド、トイプードルなどの進行性網膜萎縮など、進行すると失明につながる病気も少なくありません。
まとめ
目の充血や出血は心配のないものがほとんどですが、なかには深刻な病気の症状である可能性もあります。
とくに犬種特有の疾患については飼い主さんに把握しておいていただきたいと思います。
そのためには定期診断の受診をおススメします。
自宅では気づかなかった目のトラブルを早期に発見することができますし、早期の治癒によって、たとえ完治が難しい病気であっても進行を遅らせることが期待できます。