闘犬のような大型犬種を飼ってみたいという愛好家もいるかもしれません。
現在はペットとして家族の一員になっている犬種もいますが、適切な飼育をしないと危険な犬種でもあり、不適切な管理による咬傷事件や死亡事故もときどき起きています。
今回は闘犬を飼育するための飼い方について解説します。
闘犬の種類
代表的な闘犬に、ブルドッグ、ブルテリア、ナポリタンマスティフ、チベタンマスティフ、ボルドーマスティフ、アメリカンスタッフォードテリア、トゴアルゼンティーノ、アイリッシュウルフハウンド、シャーペイのほか、秋田犬、土佐犬があります。
ブルドッグのように、品種改良されて温厚な性格の愛玩犬に生まれ変わった犬種もありますが、一部の犬種は現在も闘犬として使われています。
また、闘犬から引退してもなお攻撃性が強い傾向のある犬種も含まれています。
闘犬による事故
残念ながら、日本国内でもときどき闘犬や大型犬による咬傷事件や、他の犬を咬み殺してしまう事件が報告されています。
ほぼすべての事故は、脱走や放し飼いの結果といった飼い主さんの不正な管理によるものです。
闘犬の飼育について
闘犬のしつけ
ほとんどの犬種は人と共に生きるために、攻撃性を抑制するしつけを受けてきました。
しかし、闘うために品種改良された犬種は、ある意味先天的にそのような適性を欠いています。
攻撃性を抑えるしつけをするためには、かなりの時間がかかり、ときに一旦攻撃のスイッチが入ると止められなくなる場合もあります。
パワーのある大型犬であり、経験の少ない飼い主さんがコントロールすることは至難の技だといえるでしょう。
力で制御することが難しいので、しつけが完成するまでは口輪をするなどの対策が必要です。
飼育環境
飼育環境も大きな課題です。
チェーンで繋がれて自由に動き回れないような環境では、犬はストレスを感じて、ますます攻撃的になってしまう危険があります。
広めのフェンスで囲った犬舎での飼育と、毎日の運動、人とのスキンシップが必要です。
ドッグトレーナーを活用しよう
闘犬の攻撃性を抑制するためには、犬に社会性を身につけさせ、犬にわかる方法で人間と暮らす上でのルールを教えることが肝心です。
人間の子どもですら、一度教えたことを絶対に守れるということはありませんよね。
それは犬でも同じです。
くり返し何度も教え続けることで、やっと理解できるようになるのではないでしょうか。
しかし、普通の人には、何度も粘り強く教えていくという作業が難しいのです。
しつけの難しい犬種のトレーニングには、プロのトレーナーの手を借りる方法も有力です。
特定犬種の届け出
多くの地域では闘犬などの犬種を飼うときに、「特定犬種」として自治体への届け出が必要です。
自治体の条例により、決められたサイズのオリの中で飼育すること、特定犬を飼育していることがわかる標識を掲示することなどが定められています。
まとめ
闘犬はペットショップなどに並ぶことはないので、ブリーダーから直接入手することになります。
一度家族に迎えたら、子犬から老犬になっても大切に育て、命に責任を持たなければなりません。
思うようにしつけが上手くいかない可能性があり、飼育には想像以上にお金がかかるでしょう。
闘犬をはじめ、大型犬種を飼育する際には、家族に迎える覚悟があるかどうか、よく考えてから決断しましょう。