手のひらに乗ってしまいそうな小型犬から、立ち上がると人の背を優に超えるような超大型犬まで、犬はその種類によって体の大きさが非常に異なる動物です。
しかしそんな犬たちの心臓の大きさは、体の大きさと関係なくほとんど同じだということを知っていましたか?
犬の心臓の大きさは
人間の心臓の大きさは、その人の握りこぶし程度の大きさだとされています。
つまり体の大きさに合わせて心臓の大きさも変わるというわけです。
しかし犬の場合は、チワワやトイプードルのような小さな犬でも、グレートデンやアイリッシュウルフハウンドのような非常に大きな犬でも、心臓の大きさはほぼ同じです。
その大きさは、なんと鶏の卵よりも小さいのです。
心臓の大きさと体への影響
心臓のサイズがほぼ同じであるということは、犬の健康にも大きな影響を及ぼします。
体が小さければ、心筋運動の1回ごとの負担も小さく心拍数も多くなります。
その反対に、体の大きな犬の全身に血液やエネルギーを行きわたらせるためには、心筋運動のたびに大きなパワーが必要になります。
大型犬の心臓には、とても大きな負担かかかっているのです。
小型犬に比べて大型犬の方が、寿命が短いことについても、心臓の大きさが関係しているのではないかと考えられています。
人間の成人病対策と同じ
愛犬の心臓への負担を減らすためには、心臓疾患のリスクを高める肥満や心臓肥大、高血圧にならないように注意しましょう。
そのためには、高カロリー・高塩分の食事を控え、肥満にならないように生活習慣を変えることがポイントになります。
食事や体重の管理は、飼い主が愛犬のためにできる大切なことです。
おやつや食事に気をつけ、毎日しっかりと散歩や運動をして適正体重の維持を意識し、肥満にならないように注意しましょう。
要するに、成人病予備軍のお父さんと同じ対策をするということですね💦💦
その他の心臓疾患への対策
小型犬に多く見られる心臓疾患
心臓疾患の中でもよく見られる「僧房弁閉鎖不全症」や「拡張型心筋症」は、犬種ごとの遺伝性に由来することが多い病気であると考えられています。
こちらは比較的小型犬に症例が多い病気ですが、日常生活において肥満や高血圧を防ぐ対策は、病気を重症化させないために有効です。
ただし、過重な運動は避けてくださいね。
歯周病に注意
意外にも歯周病から心臓病に発展するケースがあるので注意してください。
歯周病が進行して歯周病菌が血管に入ってしまうと、菌が全身を回り、最終的に心臓に到達した歯周病菌が心膜や僧帽弁を破壊して「僧帽弁閉鎖不全症」を発症するリスクがあるんです。
とくにシニア犬には注意が必要ですが、普段からブラッシングをして口腔ケアをしていれば問題ありません。
まとめ
普段の生活環境を整えることのほか、心臓疾患は進行しても症状から判断するのが難しい場合がありますから、動物病院で定期的に健康診断を受けることも予防や早期発見のための重要なポイントです。
また、粗悪なフードが心臓に悪影響を与える場合が多いので、愛犬には良質なフードを与えてくださいね。