犬がくしゃみをするのは珍しいことではありませんが、くしゃみを繰り返すなどの症状があると病気の可能性もあり、心配になります。
愛犬の健康管理のための必要な対策をするために、ワンちゃんのくしゃみの種類を知っておきましょう。
犬のくしゃみの種類
くしゃみが単発で出るだけで、それ以外の症状がなければ、気温の変化やほこりや花粉などの異物の刺激による生理現象でしょう。
それ以外にどんな原因があるのか、解説します。
鼻腔の炎症やアレルギーなど
ハウスダストやダニなどの原因物質に対するアレルギーで、度々くしゃみが出ることがあります。
ドロッとした鼻水が出る場合は、副鼻腔炎や蓄膿症、また高齢で鼻血が見られるのであれば、鼻腔内腫瘍の可能性が考えられます。
歯周病
高齢犬の場合は、歯周病が原因でくしゃみをすることがあります。
歯にこびりついた歯垢には細菌が含まれていて、この細菌は毒素を産生して歯肉や歯周組織に炎症を起こします。
炎症がひどくなると、歯の根元の部分にまで炎症がおよび、口と鼻を隔てている骨が溶けて穴が開いてしまいます。
歯周病が悪化して口と鼻がつながってしまうと、くしゃみや鼻水、鼻血などの症状が出てしまうのです。
「逆くしゃみ」とは
逆くしゃみは、通常のくしゃみとは逆に鼻腔から空気を急激に吸い込むことで起こります。
チワワやトイプードルなどの小型犬に多く見られ、「ブーブー」という豚の鳴き声のように鼻を鳴らします。
原因ははっきりしませんが、鼻の奥の筋肉のたるみや鼻孔の狭さ、アレルギーなどが関係しているといわれています。
とくに心配する症状ではありません。
ワンちゃんもカゼをひく
犬も人間と同じようにカゼをひくことがあります。犬のカゼは、ケンネルコフ(犬伝染性気管気管支炎)と呼ばれています。
ケンネルコフは、犬ジステンパーウイルスや犬ヘルペスウイルスなどのウイルス感染や、気管支敗血症菌(ボルデテラ菌)やマイコプラズマ菌といった細菌感染が原因で起こる感染症で、6か月齢くらいまでの子犬に起こりやすい病気です。
人間から犬へ、あるいは犬から人間へうつることはありません。
ケンネルコフの症状
ケンネルコフの特徴的な症状は、くしゃみのほか、今にも嘔吐しそうな乾いた咳の連続発作です。
咳以外に、発熱や鼻水、食欲不振などの症状が見られることがあります。
ケンネルコフの治療
細菌やマイコプラズマが原因の場合は抗生物質の投与をおこないます。
ウイルスが原因の場合は、ウイルスを排除するための効果的な治療法がないため、ネブライザーという機械を使った吸入治療や咳止めの薬の投与などの対症療法をおこないます。
ほとんどの場合は治療を始めて一週間程度で完治しますが、重症化すると命にかかわるケースがありますので、単なるカゼだとして安易に考えると危険です。
まとめ
犬のくしゃみといっても、治療が必要ないものや、自宅でのケアで対処できるものなど様々です。
たとえば本能的な行動として、ワンちゃんが自分の緊張や興奮を落ち着かせるために、くしゃみをすることもあるのだそうです。
なかなかくしゃみが止まらない場合には病気が隠れていることもありますから、日頃から愛犬の様子をチェックしましょう。
病気かどうかを見極めるポイントは、くしゃみ以外の症状があるかどうかということです。
気になる症状があれば早めに動物病院で調べてもらいましょう。