もし愛犬の舌にアザのような部分があるとしたら、それは舌斑(ぜっぱん)と呼ばれるものです。
点のような小さなものから舌の大部分を覆うほどの広範囲にわたるものまで様々あり、黒いもの、青みがかったもの、紫がかったものと濃い色の物が一般的です。
最初は小さな米粒ほどのしみだったものが、成長とともに範囲が広がることもあり、病気ではないかと心配されている飼い主さんも多いかと思います。
舌斑とは何か
舌斑とは犬の舌にある紫色や青、黒い色をしたシミのような部分のことです。
舌斑が現れる範囲は舌先から喉奥までと舌全体にわたり、大きさは小指の先ほどの小さな点ぐらいものから、舌全体が染まるほど広範囲にわたるものまで様々です。
詳しい原因はわかっていませんが、舌斑は遺伝による影響である可能性が高いとされています。
舌斑がよく見られる犬種
舌斑は病気ではなく、人間でいうところの蒙古班のようなものです。古い血を継ぐ犬種に多くみられるといわれていて、日本犬は西洋犬種に比べると舌斑を持つ犬が多く見られるようです。
諸説ありますが、縄文時代に渡来した犬には舌斑があり、弥生時代に渡来した犬にはないといいます。
山犬の血を強く残しているといわれるアイヌ犬(北海道犬)と甲斐犬には舌斑を持つ個体が多いとされていますが、そのほかの日本犬にも舌斑のある個体はいます。
西洋犬種ではジャーマンシェパードやゴールデンレトリーバーにも見られます。
またチャウチャウやシャーペイの紫色の舌も舌斑の一種です。
ちなみにチャウチャウの場合、子犬の頃の舌はピンク色ですが、成長とともに青黒く変化していくのだそうです。
舌斑は悪いもの?
舌斑があるから虚弱だとか、凶暴などという事実はなく、体躯や毛並み、能力などが劣るということではありません。
その一方で、舌斑のある犬は現在でもドッグショーでは歓迎されないという事実があり、実際に審査の対象としても良い評価を受けることはできません。
展覧会への出場を主な目的としているブリーダーが舌斑を敬遠することから、舌斑についてさきほど挙げたような誤解が広がってしまったようです。
病気ではないので安心を
動物病院のサイトなどには、舌の色の変化はメラノーマの可能性があるといった記述を散見しますが、舌斑はまったく別物です。
舌斑はインクを染みこませたように舌が染まっている状態です。
メラノーマの場合は、比較的舌の裏側にできやすく、その部位がカリフラワー状に盛り上がっているなど、際立った特徴があります。また舌に痛みがあるため、食欲が落ちるといった現象もみられるはずです。
まとめ
舌斑はわたしたちが子どもの頃のお尻にあった蒙古班のように、先祖から受け継ぐ遺伝子の証拠です。舌斑はそれぞれの犬の個性だといえるでしょう。
これも俗説ですが、舌斑のある子は頭がいい子が多く、やんちゃで気が強いとか。
飼い主さんとしては、愛犬の個性を愛し、大切にしてあげたいですね。
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