「うれしょん」とは、犬が興奮した場合などにおしっこを漏らしてしまう行為のことで、その名の通り、楽しさや喜びのあまり興奮しすぎることが原因です。
うれしょんは病気ではない
うれしょんは、興奮や本能、成長過程が原因で起こることが多く、病気ではありません。
飼い主さんの帰宅時にうれしょんしてしまうワンちゃんの場合、留守番で寂しい思いをしたあとに大好きな飼い主さんが帰ってきたため、感情が高ぶっておしっこを漏らしてしまうのです。
ほとんどのワンちゃんは、おしっこをする前に周辺のにおいを嗅ぐなどの準備行動をとりますが、うれしょんの場合には、なんの素振りもなくそのままおしっこを漏らしてしまいます。
うれしょんで漏らす尿は通常の排尿に比べると少ないのが一般的ですが、個体差があります。
散歩中の排尿が習慣のワンちゃんは、膀胱におしっこがたまりがちで、うれしょんの量も多い傾向にあります。
うれしょんのパターン
うれしょんしやすいワンちゃんの特徴を見ていきましょう。
どのパターンに当てはまるかを見極めることで、その後の対策もしやすくなりますので、ぜひチェックしてみてください。
子犬
まだ感情を抑えることができないパピーは、ちょっとしたことで興奮してしまい、成犬と比べてうれしょんをしやすい傾向にあります。
尿を溜めておくための筋肉が成長過程であることから、思うように排泄をコントロールできないことも原因のひとつです。
小型犬
うれしょんは服従心を表す行動でもあるので、体格差から服従対象の多い小型犬は、うれしょんをする確率が高くなる傾向にあります。
小型犬は室内で飼われることが圧倒的に多く、飼い主さんと過ごす時間が長いことから、うれしょんを誘発しやすいのではないかという仮説もあります。
興奮しやすい性格
うれしょんの原因のひとつは興奮によるものなので、興奮しやすく、落ち着きのない性格のワンちゃんはうれしょんしやすい傾向にあります。
臆病な性格
気が弱くて臆病な性格のワンちゃんや、精神面が不安定な犬も、うれしょんの確率が高くなります。
今までは問題なかったのに最近急にうれしょんが増えたというケースでは、大きなストレスを抱えていることも考えられます。
うれしょん対策
基本的に、うれしょんは病気ではなく年齢とともに自然に減っていくことが多いので、焦らずに長い目で見てあげてください。
できるだけ興奮させないこと
うれしょん防止としては、なるべく興奮させないことが大切です。
愛犬が興奮していると感じた場合には、近寄ってきても完全に落ち着くまで構わないで無視しておきましょう。
かわいい愛犬を無視するのは辛いかもしれませんが、これを繰り返すことで、「興奮しているときには構ってもらえない」と学習して、徐々に感情のコントロールも上手になっていくでしょう。
叱らないでください
うれしょんをやめさせるためには、叱らないことも大切です。
ワンちゃんも飼い主さんを困らせたいわけではなく、興奮したり、服従心をアピールしたりするための結果なんです。
悪気がないのに一方的に叱ってしまうと、ワンちゃんは驚くだけでなく、とても悲しい気持ちになります。
飼い主さんの帰宅時に注意
帰宅時には、愛犬が興奮するような声掛けをしないことも大切なポイントです。
つい高く大きめな声で名前を呼びたくなりますが、そこはぐっと我慢。愛犬の興奮をあおらないようにしましょう。
人見知りをしない性格のワンちゃんは、飼い主さんだけでなく、犬好きのお客さんに対してもうれしょんをしてしまうことがあります。
こういったケースでは、来客時はクレートで待機させ、落ち着いてから対面させるようにしてくださいね。