「エジプトの猫」という名のエジプシャンマウは、古代エジプトの壁画に描かれているねこの特徴によく似ていることで知られています。
体型はスレンダーで、機敏に動くたびに表情を変える被毛の様子は大変優美です。
もっとも俊足なねことされていて、時速50km以上で走ることができます。
エジプシャンマウの歴史
エジプシャンマウはエジプト原産のねこです。
古代エジプトの壁画に描かれたねこに似ていることから、長い歴史を持っているのではないかと推測されますが、実際のところはまだ明らかになっていません。
近年の遺伝子解析による研究では、実はエジプシャンマウは古代種ではなく、メインクーン、コラット、ターキッシュアンゴラと近縁である可能性が指摘されています。
このねこが見出されたのは第2次世界大戦前のことです。
ナタリヤ・トルベツコイという女性がエジプシャンマウに目を留め、イタリアで繁殖し、アメリカに持ち込んだのがこの猫種のルーツです。
エジプシャンマウの性格
エジプシャンマウは、その野性的な姿から孤独を好む性質を想像しますが、実際には飼い主さんを信頼して甘える可愛らしい性格をしています。
また、繊細で怖がりなので、家族以外の人や動物に対して人見知りすることもあります。
知性に富んでいて、犬のようにしつけやすく飼育しやすいねこです。
エジプシャンマウに非常に多い病気
エジプシャンマウは品種育成期間に何度かの交雑を経ましたが、もともと自然発生種であり、遺伝性疾患は少なく丈夫です。
ただし、一般的にねこに多く見られる腎臓病や泌尿器疾患には注意しましょう。
慢性腎臓病
腎臓の機能が長期間にわたってゆるやかに低下し続ける病気で、高齢のねこに多く見られます。
代表的な症状として体重の減少や食欲不振がありますが、初期の変化は緩やかでなかなか気づきにくいものです。
多飲多尿の症状が見られたら要注意です。
病状が進行すると老廃物や有害物質を排泄できなくなり、やがて致死的な尿毒症を起こします。
知らないうちに病状が進行していることが多いので、定期的な健康診断の受診をおススメします。
一度壊れた腎臓は元に戻ることはありませんが、早期発見により投薬と食事療法で進行をおさえることができます。
尿石症
腎臓から尿管、膀胱、尿道の中に結石ができる病気で、結石は膀胱や尿道を傷つけ、尿道に詰まることがあります。
食事の内容とともに、元来ねこがあまり水を飲まずに濃度の濃いオシッコをすることが原因のひとつで、ねこ自身の体質の影響も大きいです。
尿道に結石が詰まると尿が出なくなる尿道閉塞が起こり、命に関わる危険な状態を呈します。
結石の種類や大きさによって対応は異なりますが、食事療法から摘出手術までさまざまです。
再発しやすい病気なので予防が大切です。
食事の内容の見直しや、ねこがオシッコを我慢することがないようにトイレ環境の整備も考えましょう。
まとめ
エジプシャンマウは丈夫で活発なねこですが、繊細な面があり、騒々しい環境や来客が苦手です。
時にストレス症状を見せることがあるので注意が必要です。
遊ぶことが大好きなので、飼育は一緒にいる時間を積極的に作ることができる人や遊びに積極的に付き合える人が向いているでしょう。
大家族やスキンシップが好きな人にもおススメです。