大型犬を飼っている飼い主さんの多くが愛犬の「肘タコ」に悩んでいるのではないでしょうか。
前脚の関節にできた痛々しいタコをどうにか解消させてあげたいですよね。なぜ肘タコができてしまうのか、その原因と解決法を解説します。
肘タコができる原因
犬の肘というのは、伏せをしたときに地面と接している関節の部分のことです。
日ごろからフローリングやコンクリートなどの硬い床に寝転んでいることで、前脚の肘の部分の皮膚が角質化していく症状のことを肘タコといいます。
肘タコのできやすさは被毛の長さに関係なく、大型犬であればどんな犬種でも肘タコになる可能性があります。
タコになってしまうと元の状態に戻すことは難しいので、そうなる前に防いであげたいものです。
肘タコにならないようにするためには、肘と床がなるべく擦れないような工夫をするなど、普段の生活での行動を見直すことが大切です。
肘タコが大型犬に多い理由
小型犬の体重であれば、肘と床が擦れたとしてもそれほど圧力はかからないのでタコになりにくいのですが、大型犬の場合は重い体重を肘の一点で支える姿勢によってタコができやすいと考えられます。
小型犬は飼い主さんが抱きかかえることが多く、大型犬は床と接する時間が長いことも理由のひとつでしょう。
肘タコの予防法
クッション性のある床で休ませる
肘タコができる原因は、硬い床と肘が擦れることなので、普段犬が休む場所や寝る時にはクッションや柔らかいものの上で休ませるようにします。
室内で袖の長い服を着させる
犬は暑くなるとどうしても冷たい床で休んでしまうので、そのようなケースで肘タコを予防できる方法が長袖の服を着せる方法です。
洋服を着せると肘が直接床と接することはなくなるので、硬い床で休んでも肘が擦れることはありません。
ワンちゃんのサイズによっては、人間の大人用のTシャツでもいいかもしれません。
また洋服だけでなく、肘タコ防止のための肘サポーターも販売されているので、活用してもいいでしょう。
ただしいずれの場合も、犬が嫌がって噛んで剥がしてしまうときは、無理に着させることはやめましょう。
肘腫の可能性もある
肘タコに似たものに、「肘腫」というものがあります。
ふたつは見分けがつかない場合も多いようですが、肘腫は瘤のなかに血液や体液が溜まるため、やや柔らかいという性質があります。
肘腫は悪性腫瘍ではないので小さければ放置しておいても大丈夫ですが、ソフトボール大に大きくなるケースがあります。
その場合は、動物病院で溜まった液体を抜いてもらう処置が必要になるかもしれません。
まとめ
通常のタコであれば病院で治療をする必要はありません。
ただし、肘タコが肥大して、鬱血したり自分で引っ掻いて出血したという場合には、抗生物質の投与や注射で血を抜く治療が必要になることもあります。
なによりも、肘タコは見た目がいかにも痛々しいので、できればキレイなすべすべの美脚を取り戻してあげたいですよね。
一旦肘タコができてしまうと治すことは難しいですが、ワセリンを塗ってケアすることでその部分が少しずつ柔らかくなっていきます。
根気よく続ければ、タコが徐々に消えていく可能性があります。
7〜8歳を過ぎてからできるタコは、人間にたとえるならばシワのようなものです。
年齢的にどうしてもできやすいものなので、過剰に予防にこだわる必要はないでしょう。