運動神経抜群のねこは高いところから落ちても体勢を整えて着地することができるし、めったにケガをしないというイメージをもっている飼い主さんも多いと思います。
しかし、それにも限度があり、ねこが骨折してしまう事故は大いにあり得ます。
ねこの骨折の原因
ねこが骨折する原因の多くは、「高いところからの落下」と「交通事故」です。
落下事故による骨折
ねこが瞬時に受け身の体勢をとれればよいのですが、あまりに咄嗟の状況であれば対応しきれないこともあります。
骨折は必ずしも高いところから落下したときだけに起きるとは限りません。
実際に、2階のベランダから落下しても骨折しないこともあります。
ねこは落下している間に正しい姿勢で着地するように体勢を整えていますが、その際に充分な時間が得られないと、体勢を整えきる前に地面に到達してケガをしてしまうのです。
室内でも、キャットタワーや家具から無防備な体勢で落下したり、着地した地面が滑りやすい場合に、着地に失敗して骨折につながることがあるため、油断は禁物です。
交通事故による骨折
ねこは自動車のように非常に動きが速いものに対しては咄嗟に対応できず、回避することができません。
とくに夜間で事故の頻度は増加します。
暗い場所に明るいライトの光が入り、視覚情報が錯乱して体が硬直してしまうことが夜間の事故の原因だといわれています。
交通事故では、骨折箇所が複数に及ぶことが多く、四肢だけでなく背骨や骨盤、頭部といった全身の骨にダメージを受けることがあります。
昼夜限らず、ペットのねこちゃんの外出は避けるべきでしょう。
もっとも骨折しやすいのは前脚
落下事故では、骨折する部位の多くが前脚です。
高いところから着地する際に、前足から地面に接する姿勢をとるからです。
着地面が滑りやすく期待通りの着地ができなかった場合に、骨に大きな負担がかかることで骨折につながることが考えられます。
そのほか、落下時の骨折では骨盤や顔の骨折なども見られます。
骨折の症状
上腕骨や大腿骨のような太い大きな骨や骨盤の損傷の場合は、ケガをしている足を上げたり引きずって歩く様子が見られることがあります。
また、骨盤骨折の場合は排泄がうまくできなくなります。
指の細い骨が折れている場合は、痛がりながらも足を着けて歩こうとします。
顔の中では顎を骨折するケースが多いのですが、顎のずれや左右非対称な様子が見られる場合があります。
骨折は非常に強い痛みを伴うので、普段は温厚なねこがケガをした部分を触れられると大暴れし、パニックを起こすことがあります。
まとめ
骨折の治療は、手術が必要かどうかで治療費は大きく変わります。
手術や入院が必要な場合は、治療費は10~50万円にも及ぶことがありますから、もしものためにペット保険への加入をおススメします。
ねこの骨折は見た目だけでは判断することが意外と難しいものです。
皮下出血が起こって皮膚が紫色に変化することがありますが、全身が毛で覆われているため皮膚の様子は観察しづらいかもしれません。
したがって、ねこが骨折した際には、骨折とはわからなくても「何かケガをしたようだ」と気づいてあげることが重要です。