フレンチブルドッグはつぶれた鼻と大きな耳が特徴的な中型犬で、日本でも人気上昇中の愛玩犬ですよね。
イビキはかくしオナラもするし、とにかく愛嬌たっぷり、その上飼い主べったりの甘えん坊です。
運動量はさほど多く必要としませんが、病気が多い犬種としても知られていて、飼育については注意が必要です。
フレンチブルドッグの歴史
フレンチブルドッグは18世紀にイギリスの織物職人がフランスに渡った時、一緒に連れて行った小型のブルドッグが元となり、パグやテリアとの交配で誕生しました。
当初はネズミ捕り用に飼われていたのですが、その風貌と特徴でフランスの上流階級や芸術家の人々に受け入れられ、認知度と人気が広がりました。
日本には大正時代に紹介され、昭和初期には数多く飼育されました。
その後、戦争を経て人気が下降し飼育数も減少しましたが、近年その人気が再燃し、多くの人に愛される犬種へと復活しました。
フレンチブルドッグの性格
フレンチブルドッグはとても寂しがりやの性格で家族愛が強い犬種です。
また遊ぶことが大好きで、見た目によらず頭のいい犬種であるといわれています。
うるさく吠えることもありません。
しつけについても習得スピードが早く、吸収率も高いので訓練しがいのある犬種です。
フレンチブルドッグに非常に多い病気
フレンチブルドッグは、比較的病気が多い傾向のある犬種です。
暑さに弱い犬種で夏場はエアコンを24時間つけっぱなしにしておく必要があり、熱中症にならないように夏場の散歩や車での外出の際には注意が必要です。
また寒さにも弱いので、冬の室内では暖房も必要です。
チェリーアイ
チェリーアイは、犬だけにある第三のまぶた「瞬膜」が赤く腫れ上がる病気です。
腫れた瞬膜は目を刺激するため、赤く充血し涙が多くなり、チェリーアイから結膜炎や角膜炎を併発する恐れもあります。
フレンチブルドッグのほか、ブルドッグ、ビーグル、コッカ―スパニエル、ボストンテリアにもよくみられます。
治療は点眼薬や内服薬を使用しますが、再発を繰り返すケースが多く報告されています。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、アレルギーの元になるアレルゲンを体内に取り込むことにより発症する皮膚病です。
主な症状は皮膚の痒みで、耳やワキ、足先などに痒みが起こりやすく、これらの部位をしきりに噛んだり、舐めたりする様子がみられます。
生後半年~3歳までの子犬や若犬が多く発症し、その原因のほとんどが遺伝的なものだといわれています。
体質が大きく関与する病気のため予防は難しいですが、発症した場合は抗ヒスタミン剤や副腎皮質ホルモン剤、サプリメントの投与、シャンプー療法など、体質に合わせた治療で痒みをコントロールします。
軟口蓋過長症
フレンチブルドッグのような短頭犬種によく見られる病気です。
口の中にある軟口蓋が通常よりも長いことが原因で、大きなイビキや吐き気、呼吸困難、失神などの症状が顕著です。
軟口蓋過長症は先天性疾患であり予防は困難です。
症状が重い場合は、軟口蓋を切除する外科手術が推奨されています。
水頭症
脳が圧迫されて様々な神経症状が引き起こされる病気で、痙攣発作、意識障害、筋硬直、麻痺などの症状を呈します。
水頭症には先天性と後天性(事故や脳炎が原因)があります。
脳の周りでクッションの役割を担っている脳脊髄液の流れが悪くなり、徐々に脳室へと溜まった脳脊髄液は脳を圧迫します。
基本的には脳圧を下げる薬やステロイド薬などの投与で治療をすすめますが、症状が重い場合は手術をおこなうことがあります。
若年で発症した場合は、残念ながら余命は短くなります。
まとめ
フレンチブルドッグは非常に繊細な犬種で、ここにあげた病気以外にも僧帽弁閉鎖症や椎間板ヘルニア、白内障、膝蓋骨脱臼、眼瞼内反症、悪性腫瘍などのリスクが大きいとされています。
実際に動物病院の常連さんというフレブルの子も多いと聞きます。
フレンチブルドッグは健康面以外には問題は少なく、気性の優しい家庭犬です。
飼い主さんは正しい知識をもって健康管理をしてあげてくださいね。