伊勢の「おかげ犬」を解説

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犬とねこ

現代も伊勢神宮には毎日多くの参拝者が訪れていますが、江戸時代にも伊勢参りが流行しました。

日本全国から多くの人が伊勢を目指しましたが、さまざまな事情で参詣できない人の代理で伊勢参りをした人もいました。

さらに、ご主人の代わりに伊勢神宮を参詣した犬がいたというのです。

これを「おかげ犬」といいます。

江戸時代にブームとなった伊勢参り

「一生に一度はお伊勢参り」という言葉があるほど、伊勢神宮への参拝は庶民の憧れでした。

とくに60年周期に訪れる「おかげ年」と呼ばれる年には参拝者が集中しました。

江戸時代には計3回の大ブームが巻き起こったといわれていて、文政13年の「おかげ参り」では、全国から500万人が伊勢に押し寄せたといわれています。

伊勢参りができない人のための「代参」制度

老若男女、貧富や身分の差なく、誰でも一度は伊勢参りという慣習が一般化しましたが、身体が弱いことなどを理由に、伊勢に参詣したいのに自力では行けない人もいました。

そのような人の代わりに、代理で伊勢神宮にお参りをする代参(代理参拝)が各地でおこなわれるようになりました。

犬による代参「おかげ犬」

江戸時代には、犬がご主人の代わりに伊勢までお参りに行くという、嘘のような本当の話がありました。

家の近所の方に連れられて伊勢まで行く犬や、伊勢参りに行く見知らぬ人たちの手をリレー式に借りながら、たった1匹で伊勢まで行って家に戻ってきた犬もいました。

代参をする犬を「おかげ犬」と呼び、その目印として首にはしめ縄をつけていました。

しめ縄には、道中に必要なお金や伊勢参りに行く旨の書き付けを巻き付け、誰が見ても「おかげ犬」だとわかるようになっていました。

おかげ犬を見かけた人たちは、率先して犬のお世話をしたそうです。

しめ縄のお金を盗む人などはいませんでした。

道中では食事や寝床を用意し、皆が伊勢までの道のりのサポート役を買って出たわけです。

そうすることで徳が積めると考えていたのでしょう。

おかげ犬のほっこりエピソード

磐城国(現在の福島県)の庄屋の家で飼われていた秋田犬のシロは、人の言葉を理解し、買い物などの用事もこなす評判の利口な犬でした。

シロの飼い主である庄屋の当主が病気を患い、毎年行っていた伊勢参りができなくなってしまいました。

そこで伊勢への代参者に選ばれたのがシロでした。

家族や庄屋の衆に毎日無事を祈られながら、シロはたった一匹で伊勢へと出発しました。

おそらく道中ではさまざまなサポートを受けながら、約2か月後に無事、伊勢神宮のお札を携えて家へ戻ってきたそうです。

伊勢「おかげ横丁」のおかげ犬グッズの紹介

伊勢神宮の傍らにある「おかげ横丁」は飲食店やお土産店が立ち並ぶ大人気観光スポットです。

そんなおかげ横丁で人気のお土産に、おかげ犬にちなんだお守りやサブレなどのかわいらしいグッズがあります。

「おかげ犬お守り木札」は、愛犬の首輪やリードなどにつける方もいるそうで、愛犬家の方へのお土産におススメです。

まとめ

おかげ犬のエピソードからは、江戸時代のおおらかで温かな時代風景が伝わってきます。

現代の動物愛護精神とは異なるのでしょうが、古くから犬と人との間に深い絆と信頼関係があったことに胸を打たれます。

伊勢神宮への参拝の際には、おかげ犬のことにも思いを馳せてくださいね。

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