雑種の犬は純血種と比べて病気になりにくく、健康で長生きすることが多いといわれています。
今回は雑種犬が病気になりにくい理由について解説します。
雑種犬が強い理由
育った土地の気候への順応性
純血種の犬は原産国の気候に合わせて交配されています。
セントバーナードやサモエド、シベリアン・ハスキーなど、寒冷地原産の犬種が夏の暑さに弱かったり、チワワのような南国出身の犬種は冬の寒さに弱い傾向があります。
したがって、これらの犬種を寒暖差の激しい日本で飼育すると、体を壊してしまうケースが多く見られます。
一方で、日本で育った雑種犬の体は、日本の寒暖差に対応できるように独自に進化を遂げているので、気候によって体調を崩すことが少ないのです。
体型由来の病気や遺伝性疾患の少なさ
純血種犬種は、犬種の特徴を確定させるために独自の進化をとげています。
それと同時に、体型に由来する疾患も引き継いでいます。
たとえば短頭種(鼻ぺちゃの犬)の呼吸器疾患などがその一例です。
しかし、雑種犬にはそのような問題はありません。
また、遺伝性疾患についても、雑種犬には有利な条件があります。
純血種の場合は、近親交配が多くおこなわれ、遺伝性疾患が固定しているケースが多いのです。
一方で、雑種の場合は、遺伝性疾患のある犬が生まれても多くは短命ですから、次世代を残さずに自然に淘汰されていく確率が高くなります。
人間の手によって交配を繰り返している純血種に比べて、雑種犬は体型に由来する疾患がなく、遺伝性疾患にもなりにくい傾向があるのです。
最近話題のミックス犬の健康面について
最近、ハーフ犬とかミックス犬と呼ばれる純血種同士の交配をよく見られます。
健康面での予測は難しいですが、それぞれの両親の犬種の遺伝性疾患も同時に受け継いでいる可能性はあるかもしれません。
ただし、同じような遺伝的疾患が好発する犬種同士の交配を避ければ、純血種よりも遺伝的なトラブルは少なくなるという指摘をする獣医さんもいます。
雑種犬が賢いという説
雑種犬が賢いという説があります。
野良犬は健康面とともに、サバイバルのための知恵や勘といった能力がなければ、生き残ることができません。
そのような能力を受け継いできたのが現在の雑種犬だとすれば、純血種には備わっていない異能を発揮したとしても不思議ではありません。
あるいは、そのような人間の想像力が「雑種は賢い」という説に繋がったのかもしれません。
まとめ
雑種は純血種とは異なり、その地域の気候に対応できるように変化を遂げ、また純血種特有の遺伝性疾患にもなりにくい、したがって純血種よりも病気になりにくいことは確かなようです。
健康面だけを考えれば飼いやすいともいえますが、性格については飼ってみないとわかりません。
また、雑種だからとして「気軽」に捨てられたり、一部の愛犬家の偏見によって嫌な思いをされる飼い主さんがいるのも残念な事実です。
いずれにしても、純血種、雑種どちらにとっても、迎えるその子を幸せにしたいという飼い主さんの気持ちが大切なことに違いはありません。