2頭以上のワンちゃんを多頭飼育をしている飼い主さんは多く、現在は1頭だけでも、2頭目のワンちゃんを検討している飼い主さんも多いと思います。
「先住犬が寂しくないように」「ペットロス予防に」といった理由で、多くの飼い主さんが、多頭飼育を決められています。
【勘違い】多頭飼育に関する意識
本来、犬は群れで生活する動物ですから、多頭飼育には向いているように思いますが、そもそもワンちゃんたちは自分が犬ではなく人間だと思っていることが多いのです。
したがって、家庭で生活しているワンちゃんは、すでに家庭の一員として人間の群れのなかでの生活を送っていることになるわけです。
人間の群れのなかで健全に過ごしているのであれば、一頭飼いされているワンちゃんが、必ずしも寂しいということではありません。
多頭飼育の際に気をつけたいポイント
基本的には、群れの数が増えることについて、先住犬のワンちゃんはウエルカムな場合が多いと思います。
ただし、性格にはそれぞれ個性がありますから、多頭飼いする場合は、先住犬も新参犬も、お互いに犬同士の交流を好む友好的なタイプであることが重要です。
しつけに関すること
先住犬がしっかりしつけされているかというのは重要なポイントです。
犬は群れを作る動物ですから、多頭飼育した場合は新参犬は自然と群れのルールを憶えます。
したがって、先住犬のしつけが行き届いていれば、新参犬はしつけやルールを早く学習します。
その反対に、新参犬は先住犬のマネをする傾向があるので、先住犬が充分なトレーニングを終えていないと問題が倍になることもあるのです。
先住犬の特性を確認する
ワンちゃんは群れのなかで必ず順位づけをおこないます。
1頭のときは飼い主さんの愛情をひとりじめにできていた先住犬ですが、新参犬の登場は先住犬にとっての強力なライバル出現となり、極度のストレスが加わることになります。
したがって2頭目が先住犬と同じくらいの年齢だとライバル意識が強くなるのです。
また、シニア犬と子犬の組み合わせは、運動量が大きく異なるため、シニア犬がついていけず、結果としてお互いにストレスになる場合もあります。
2頭目は子犬の状態でやってくることがほとんどです。
新参のパピーははしゃいでばかりで、容赦ない「じゃれつき」は先住犬にとってかなりのストレスになります。
このことから、2頭飼いする場合は、年齢は4~5歳の差がちょうどよいといわれています。
まとめ
多くの場合、多頭飼育をしてもワンちゃんたちは仲良くできると思いますが、そのためにはワンちゃんの特性を理解してから決断する必要があります。
あたらしいワンちゃんをお迎えする前に、先住犬との年齢差や体格差を考えてください。
そして、多頭飼育をはじめてからもっとも重要なことは、何かをするときは必ず先住犬を先にすることです。
繰り返しになりますが、犬は優先順位を犬同士でつくります。
食事や飼い主との接触の順番については、必ず先住犬を優先にさせなければダメです。
このルールを曖昧にしたり、優先順位が逆転してしまうと、本気のケンカが発生したり、お互いに心を病んでしまうこともあるんです。
このように優先順位を守りながらも、愛情はみな同じように与えるようにしましょう。
また、犬が増えるとそれだけ飼育にかかる経費や手間が増えますから、メリット・デメリットをよく考えて、飼い主さんは後悔のない決断をしましょう。