「歯周病」とは、口腔内で細菌が引き起こす炎症のことで、「歯肉炎」と「歯周炎」のふたつに分類されます。
歯肉炎は、歯と歯茎の隙間に歯垢(プラーク)が付着することで、歯肉が炎症を起こしてしまう病気です。
軽症であれば、歯肉炎は治療をすれば治ります。
しかし、歯肉炎を放置すると、症状が悪化して炎症が歯を支える歯周組織にまで及んでしまうことがあります。
この状態のことを歯周炎といいます。
ここまで悪化すると、治療による完治は極めて難しくなってしまいます💦
歯周病の症状
歯周病は、以下のようなサイクルで病状が進行します。
歯茎が炎症を起こして、健康的なピンク色から赤色へと変わり、腫れ上がる。 出血や口臭も発生するようになって、よだれの量が増えることがある。 歯がぐらぐらして、痛みも伴うようになり、口を触られるのを嫌うようになる。
歯周病がひどくなると、症状は歯だけに留まらず、鼻炎や根尖膿瘍(こんせんのうよう 歯根の最下層に膿ができて腫れる病気)、下顎骨の骨折などを引き起こすこともあります。
歯周病の治療
まず最初に、獣医師は歯垢や歯石を取る治療をおこないます。
その後、歯を研磨し汚れをつきにくくして、治療はここで一旦終了です。
軽度の歯肉炎の場合は、この処置で治癒することも多いようです。
重度の歯周炎の場合は、ぐらぐらになって抜けそうな歯を抜歯し、手術によって炎症がひどい歯茎を切除したりと、ワンちゃんにとって、とても大きな負担となる治療をおこないます。
手術は、専門のトレーニングを受けた動物病院の獣医師が、犬に全身麻酔をかけたうえでおこないます。
悪化する前に、日々の歯磨きが重要
最悪の場合、全身麻酔で治療しなければならない歯周病。
怖いですね💦
歯周病対策に最も効果的なのは、日々のデンタルケアです。
最近は、歯周病予防グッズとして、デンタルガムやデンタルペースト、液体デンタルケア、歯ブラシなどが販売されています。
歯磨きが苦手なワンちゃんには、まずは簡単なデンタルケアグッズから始めてみることをおススメします。
慣れてきたらお口にさわれるように、ごほうびを使いながら練習していきましょう。
あまりしつこく触らずに、嫌がらないように少しずつ触っていくことがポイントです。
手を噛まれないように気をつけて練習してくださいね。
お口に触れられることに慣れてきたら、歯ブラシを使ってみましょう。
最初にブラシを見せるだけでごほうびをあげ、歯ブラシが出てきたらいいことがある、という印象をつけてあげましょう。
歯を磨く際には、最初はブラシをあまり動かさずに歯に当てるだけから始めると、受け入れやすくなるかもしれません。
歯みがきペーストは、人間用のものではなく犬用のものがあります。
犬用の歯みがき粉は刺激が少なく、犬が好む味がついているので、歯みがきを楽しい時間にしてくれます。
とにかく早期発見が一番の対策です!
犬の歯周病はなかなか見つけにくい病気ですが、毎日の歯みがきを通してお口の中をチェックすることで、予防はもちろん早期発見にもつながりますよ。
いろんなグッズも試してみて、ワンちゃんが受け入れやすい商品をチョイスしましょう。
歯周病はほとんどの成犬が発症するといわれていますから、「うちの子は大丈夫」と思わずに、今日からでもすぐに、口腔ケア対策をはじめましょう。