ペット由来の感染症の危険性を解説

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ペットヘルスケア

犬やねこの口腔内には様々な細菌が常在菌として生息しています。

ペットに咬まれたり、引っ掻かれたり、舐められたりすることによって、飼い主さんがこれらの細菌に感染する危険があります。

ねこに引っ掻かれると、傷口が雑菌によって膿んでしまうこともあります。

カプノサイトファーガ感染症とは

カプノサイトファーガ・カニモルサスという細菌は動物(犬やねこ)の口腔内に常在しています。

人間が犬やねこに咬まれたり、引っ掻かれたりすることでこの菌に感染します。

あるいは粘膜や傷口をなめられた場合にも感染する可能性があります。

カプノサイトファーガに感染すると、咬まれた部位にはあまり炎症を起こさないまま、数日の潜伏期の後に全身症状を呈します。

今までに報告されている患者数は非常に少ないことから、極めて稀にしか発症しないと考えられていますが、高齢者や免疫機能が低下している人は重症化しやすくなります。

カプノサイトファーガ感染症の症状

感染すると、発熱、倦怠感、腹痛、吐き気、頭痛などの症状が現れます。

重症例では、敗血症や髄膜炎を起こし、播種性血管内凝固症候群や敗血性ショック、多臓器不全に進行して死に至ることがあります。

重症化した場合には、敗血症になった人の30%、髄膜炎になった人の5%が死亡するといわれています。

具体的に症例の報告はどれぐらいあるのか

海外の報告症例

この感染症の発生頻度は非常に低いとされています。

1976年に報告された敗血症・髄膜炎例が最初の文献報告とされ、その後、現在までに世界中で約250人の患者が報告されています。

感染した場合の発症割合については、オランダの調査では100万人に0.7人、デンマークでは0.6人との報告があります。

オランダでの近年の大規模調査によれば、敗血症を発症したケースでの死亡率は12%でした。

国内の報告症例

日本においては、重症化した患者の報告例がこれまでに14例あります。

患者の年齢は40~90歳代と中高年齢が多く、糖尿病、肝硬変、全身性自己免疫疾患、悪性腫瘍などの基礎疾患のある患者が重症化しています。

感染原因は、犬の咬傷6例、ねこの咬傷・掻傷6例、経路不明2例となっています。

感染しないための注意点

一般的な動物由来感染症予防の対応と変わりなく、日頃から動物との過度のふれあいを避け、触れた後は手洗いなどを確実に実行することに尽きます。

糖尿病などの慢性疾患や免疫異常疾患、悪性腫瘍の患者さんや高齢者など、免疫機能が低下している人は重症化しやすいと考えられるので、とくに注意が必要です。

免疫機能が低下していなくとも、咬傷や掻傷から感染し発症する事例がありますから、ペットに口移しで食べ物を与えるなどの過度のふれあいは避けて、動物と触れあった後は手洗いや消毒を確実に実行してください。

ペットは発症しないの?

カプノサイトファーガ・カニモルサスは犬ねこの常在菌です。

野良はもちろんのこと、一定数のペットの犬猫がカプノサイトファーガを保菌していると考えたほうがいいですが、かれらがカプノサイトファーガ感染症を発症することはありません。

まとめ

カプノサイトファーガ感染症は発生頻度が極めて低く、過剰に恐れる病気ではないと思います。

健康な人であれば、発症しても軽い頭痛や発熱など、カゼのような症状が出る程度だといわれています。

問題は飼い主さん側の健康状態です。

症例は少ないとはいえ、中高年の飼い主さんで基礎疾患がある方は重症化する可能性がありますから、ペットとの濃厚な接触をできるだけ避けた方がいいでしょう。

 

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