愛犬が人にかみついたりケガをさせたとか、物を壊してしまった、あるいはワンちゃん同士のケンカ・・・。
こんなトラブルはあっては困りますが、実際にそのようなケースをときどき耳にします。
そんなときには、ペット保険が役に立つかもしれません。
ペット賠償責任特約とは
ペット保険といえば、ペットの通院や入院時に補償を受け取れるシステムですが、このような事故に対してもオプションで補償制度を設けています。
ペット賠償責任特約を利用すれば、そのような際に数百万円から1,000万円単位まで補償してもらえる可能性があります。
また保険会社によっては、担当者が間に入って示談交渉をしてくれる特約もあります。
賠償責任特約はオプション契約になります。
保険料に上乗せする金額は多くのペット保険で年1,000円程度ですから、非常にお得な制度だといえます。
補償を受けられるケース
典型的な事故のパターンをいくつか紹介しましょう。
これらのトラブルはペット賠償責任特約の補償対象になります。
対人賠償
①散歩中に自転車と接触して相手にケガをさせてしまった ②散歩中に子どもが頭をなでようとしたところ、驚いて反射的にかんでしまった ③宅配業者に飛びかかってケガをさせてしまった
対物賠償
①来客の靴をかじってボロボロにしてしまった ②ほかのワンちゃんとケンカをしてケガを負わせてしまった
補償を受けられないケースがある
賠償責任特約はどのような事故に対しても補償をしてくれるわけではありません。
詳しくは各社の保険内容を確認していただきたいのですが、実際にあった代表的な事例を紹介しましょう。
賠償責任が発生しないケース
法律上、以下のケースは飼い主さんの賠償責任にならないため、賠償責任特約の補償の対象になりません。
①ドッグラン内で、犬同士が衝突してケガをさせた場合 ②ペットを他の人に預けているときに起きた事故 ③ペットを人に預けているときに、その人の過失で発生した事故の慰謝料
賠償責任が発生しても補償の対象にならないケース
次のような場合は損害賠償責任となりますが、ペット賠償責任特約では補償の対象になりません。
①預かっているもの(レンタルDVDや滞在中のホテルの室内の物品など)の物損事故 ②加入者以外の同居の親族に対する損害賠償責任 ③地震、洪水などの天災による賠償責任 ④狂犬病などワクチン接種を怠ったことによって生じた損害
ご自身の損害保険の内容を確認してください
飼い主さんにチェックしていただきたいのは、ご自身が加入している損害保険の補償内容です。
損害保険(火災保険、傷害保険、自動車保険など)には、「個人賠償責任保険特約」「日常賠償責任特約」といった名目の特約がセットされています。
これらの特約のなかには、ペットに関わる賠償責任も補償の対象となっている場合があるのです。
ペット特約の補償内容を損害保険の内容とあわせて総合的に検討したうえで、賠償責任特約が必要かどうかの検討をしていただくといいと思います。
個人的には保険料も気になるところですが、トラブル時の示談交渉がオプションに入っているタイプのペット保険(特約含む)があれば、そちらを採用するのがいいと思います。