マイクロチップは世界でひとつだけの個体識別番号が書き込まれた小さなカプセルで、愛犬や愛猫の身分証明ともいえるものです。
最近では、ペットショップやブリーダーから愛犬をお迎えするときに既にマイクロチップが挿入済みというケースが増えています。
マイクロチップ義務化の流れ
日本では、犬猫の違法な放棄や遺棄、悪質な虐待や繁殖、行方不明、保健所に保護された後の殺処分を減らすことを目的に、2019年6月に動物愛護法が改正され、犬猫のマイクロチップ義務化が決定しました(施行日は未定)。
すでにフランスやスイス、ベルギー、オーストラリアなどでも犬のマイクロチップ装着が義務化されていて、マイクロチップ装着は今や世界的な流れになっています。
マイクロチップは動物病院で処方される
マイクロチップは、通常の注射針より少し太めの針のついた専用の注射器を使って、犬であれば肩の背中側の部分の皮膚の下に埋め込みます。
マイクロチップは、直径約2mm、長さ約12mmの円筒形のガラスのカプセルで包まれた小さな電子標識器具で、国名、動物種コード、個体番号などの個体識別番号が書き込まれています。
この個体識別番号は専用のリーダーを使って情報を読むことができ、インターネット上のデータベースに登録されている飼い主さんの情報と紐づけられています。
費用は動物病院によって異なりますが、犬の場合は数千円程度であることが多いようです。
マイクロチップは首輪に装着する迷子札などと違って、一度装着すれば半永久的に使えます。
最近では、全国の自治体などでも専用リーダーの設置がすすんでいるほか、リーダーを設置している動物病院もたくさんあります。
飼い主情報の登録手続き
登録手続きをしないと無意味
マイクロチップに書き込まれているのは数字の羅列にすぎないので、読み取った番号をデータベースに照会しても飼い主さんの情報は得られません。
マイクロチップの情報から飼い主さんの情報にたどり着くためには、飼い主さんが登録手続きをする必要があるのです。
登録手続きの方法
マイクロチップを装着した時に、動物病院で登録申込書を受け取ってください。
そこに飼い主情報(氏名、住所、電話番号、緊急連絡先、FAX番号、Eメール)、動物情報(名前、生年月日、性別、動物種、犬種や猫種と毛色)を記入します。
登録先は日本獣医師会で、登録料が1,050円(2020年現在)かかります。
まとめ
万一の事態にマイクロチップを備えておくことは、飼い主さんの大切な責任です。
実際に、迷子や脱走、災害や事故で行方不明になった愛犬が、マイクロチップの情報から飼い主さんと連絡がとれて飼い主さんの元に戻ることができたという例があります。
その逆に、せっかくマイクロチップが装着されていたのに、飼い主さんの情報が登録されていなかったために飼い主さんに会えなかったという例も多数報告されています。
マイクロチップを装着したあとは、必ず飼い主さん情報の登録を忘れないようにしてください。
マイクロチップの番号を手元に控えておくと、より安心です。
また登録後、住所変更があれば、かならず変更手続きをしてくださいね。