サイベリアンとはシベリアの意味で、その名の通りロシア原産のねこです。
豊かな被毛が特徴的な大型猫種で、メスは4~8㎏で、オスだと10㎏を超えることもあります。
サイベリアンの歴史
サイベリアンは1000年の歴史を持つ猫種です。
ロシアの修道院や農家でネズミ退治のために飼われていたといわれています。
長い間、ロシア国内でのみ繁殖されてきましたが、冷戦後になって世界中に渡り、アメリカでも一躍大人気の猫種に挙げられるようになりました。
サイベリアンの性格
サイベリアンは犬のような性格だという意見をしばしば聞くことがあります。
おとなしく、忍耐強さが際立ち、飼い主さんなど自分が認めた人間に対しては従順で甘えた素振りも見せますが、他人に対しては見向きもしないクールな性格です。
ねこには珍しく、水を嫌がらない子が多いようで、ハンター魂が強く運動神経も抜群です。
頭がよく芸も覚えます。
ロシアのボリショイサーカスで活躍しているねこは、サイベリアンが多いそうです。
サイベリアンに非常に多い病気
熱中症
寒冷地出身のため、夏の暑さが苦手です。
暑い時期に呼吸が浅く速くなったり、口からヨダレを垂らすなどの症状が見られたら、熱中症の疑いがあります。
肥大性心筋症
心臓の筋肉が厚くなりすぎて体に充分な血液を送り出せなくなる病気で、遺伝性の素因が関連すると考えられています。
初期にはほとんど症状は認められません。
病気の進行に伴って徐々に活動の低下や疲れやすくなるなどの症状が出始め、心不全に進行すると呼吸や食欲に異常を認め、特徴的な症状としては咳をすることがあります。
血栓が血管に詰まって後ろ足の麻痺が起こったり、突然死する危険性もある病気です。
肥大型心筋症を治癒させる方法は今日の医療には存在しません。
治療は投薬による内科的な対症療法が中心になります。
尿石症
体内のミネラル成分が結晶や結石をつくる病気です。
細菌感染や体質、ミネラルの多い食べものなどが主な原因です。
結石は主に膀胱、尿道、腎臓に形成され、頻尿や血尿がみられるほか、尿道に詰まってしまうと尿が出なくなることもあります。
療法食や投薬が基本ですが、結石の大きさや部位により治療は多岐に渡ります。
定期的に尿検査やレントゲン検査、超音波検査をしながら経過観察になることも多いです。
結石が大きく、尿管が閉塞している場合は外科手術になります。
ピルビン酸キナーゼ欠損症
若齢に発症が多く遺伝性の病気です。
ピルビン酸キナーゼという酵素が不足して赤血球が破壊され、貧血が起こります。
初期には症状がないことも多いですが、進行すると口の粘膜や舌の色が薄く白っぽくなり、食欲低下や運動量の減少、赤茶色の尿(ヘモグロビン尿)をするといった症状が出ます。
遺伝性の疾患なので、残念ながら予防法はありません。
軽症の場合は、対症療法として安静をとりつつ、ときに輸血を検討します。
重度の貧血の場合は、手術で脾臓を摘出して、赤血球の減少をおさえることで貧血の改善を促す治療をおこないます。
慢性腎臓病(腎不全)
腎臓の働きが悪くなり、体内の毒素を尿として排出できなくなる進行性の病気です。
15歳以上のねこの80%が慢性腎臓病を罹患しているという報告があるように、高齢のねこに非常に多い病気です。
多飲症状や食欲不振、嘔吐、おしっこが薄くなり量が増えるなどの症状があります。
初期では食欲も元気もあるので見逃しがちですが、その後、食欲の低下や体重の減少、毛づやがなくなるなどの症状が少しずつ現れます。
腎臓の組織は一度壊れると元に戻すことはできないので、治療は残っている腎機能を長持ちさせて、病気の進行を遅らせるための療法食や投薬が中心になります。
まとめ
本来であれば大型猫種はあまり運動を好まず、身体能力もそれほど高くないものですが、サイベリアンは別格です。
雪中で鍛えた強靭な足腰を受け継ぎ、素早くジャンプしたり駆け回ることが大好きです。
飼育の際は頑丈なキャットタワーの設置を検討しましょう。
身体が大きく筋肉量も多いので、身体を維持するためにしっかりとタンパク質が取れるフードを用意してください。
また、ロングヘアーなので、できれば1日1回はブラッシングをしてあげましょう。