一緒に遊んでいるときに目にも止まらぬ速さで獲物を追いかけるねこの姿を見ていると、「いったいどれくらいの速さなのだろう?」と疑問に思うことがあります。
今回はねこの驚異的な身体能力から生み出される、全速力の走りの秘密を解説します。
全速力のねこのスピード
ねこは本気を出すと50kmで走ることができます。
人間の場合はオリンピック選手で100m走9秒台ですが、時速50kmのねこが100mを走ると仮定すると約7秒台です。
これはとてつもないスピードです。
ちなみに世界最速の動物は同じくネコ科のチーターで、その全速力は時速120キロにもなります。
俊足ナンバーワンはエジプシャンマウ
一般的にねこの足が速いとはいっても、走るのが得意なねこもいれば、苦手なねこもいます。
足の短いマンチカンやスコティッシュフォールド、ずんぐりむっくりのヒマラヤンやペルシャは、走るのは遅いはずです。
運動神経が優れているのは、シャム、オシキャット、アビシニアン、ベンガルなどです。
正確なデータはありませんが、猫種の中でおそらくもっとも足が速いといわれているのがエジプシャンマウです。
なぜスピードが出せるのか
背中のカーブがポイント
ねこの背骨は大きくカーブしています。
この背骨のカーブは強靭なバネの役割を果たしていて、バネの反動を利用して身体全体を使って走ることができます。
チーターもこれと同じ走り方をしています。
かれらは脚力だけではなく、体全体の瞬発力も利用して俊足を生み出しているのです。
進化した後ろ足
実はねこの後ろ足の指は4本しかなく、前足よりも1本少ないのです。
蹴りだす力を分散せずに一点に集中するために、足の裏の蹴る面をより小さくするような進化を遂げた結果だといわれています。
足を速くするために指を1本なくす進化を遂げたとは驚きです。
弱点は持久力のなさ
ねこの弱点は持久力がないことです。
一緒に遊んでいても10~15分もすればバテてしまいますよね。
このように、ねこの体力はあまり長く続きません。
ねこは100mを7秒で走れますが、スピードが続くのは200mまでといわれています。
ほかにもあるねこの驚異的な運動能力
動体視力
ねこの動体視力は鳥や小動物など素早く動く獲物を捕らえるために発達してきました。
おもちゃに反応する時のねこの姿を思い浮かべると、首を小刻みに左右に動かしながら、目は素早くゆれ動くターゲットをロックオンしています。
高い動体視力を駆使して、上下に激しく動くねこじゃらしを猫パンチで見事に捕らえることができます。
瞬発力
ねこの運動能力には目にも見えないスピードで繰り出される猫パンチのほか、助走なしで1.5メートルも飛び上がるジャンプ力があります。
ねこの狩りで獲物を一撃でとらえるためには瞬発力が必要なんですね。
まとめ
動物全体でみると、ねこの走る速度は大したことはないように感じるかもしれませんが、体の大きさから考えるとそのスピードは驚異的です。
実際にこれだけ体の小さな動物で、ここまで足が速い動物はあまりいません。
もし、ねこがチーターやライオンくらいの大きさだったら、もっと足が速いのかもしれませんね。