なぜか、ねこの口の中からカチカチと不思議な音がすることがあります。
これは何をしているのでしょうか。
口のなかの何らかの異常
口腔内の病気やトラブル
ねこは口のトラブルが多い動物です。
口内炎などの口腔内トラブルによってカチカチと音を鳴らすことがあります。
口内炎は歯周病が原因である場合や、伝染病や免疫系疾患に起因するケースも考えられます。
猫カリシウイルスや猫ウイルス性鼻気管炎などの感染症や、糖尿病、副腎皮質機能亢進症、腎不全などによって、体を守るための免疫が抑えられた状態になり、二次的に口内炎を発症することもあります。
カチカチ音のほかに、ご飯を食べづらそうにしていたり、食が進まない様子がある場合は、何かしらの異常がある可能性を検討しましょう。
ワクチン接種によって伝染病予防をしておくことと、日頃の歯磨きと歯のケアによって、口内炎の予防に努めましょう。
歯の生え変わり
ねこの歯は、生後3か月半から生後半年くらいまでに乳歯から永久歯へと生え変わります。
生え変わりの時期は歯がムズムズするために、気になって歯を鳴らすことが考えられます。
生え変わりが済めば収まるので、とくに問題はありません。
歯ぎしり
ねこも歯ぎしりをすることがあります。
歯にものが挟まっている場合や、舌に絡まった被毛を取るために歯ぎしりをして毛を取っていることがあります。
そのほか、歯肉炎や歯周病が気になって歯ぎしりをするケースや、ストレスやクセなどが考えられます。
慢性腎臓病のねこにも歯ぎしりの症状がみられることがありますので、注意してあげてください。
狩猟本能
窓から外を眺めて鳥などを見つけたとき、ねこが小さくカカカと鳴いたり、カチカチというような不思議な音を立てることがあります。
これはクラッキングといわれる行動です。
獲物をつかまえられないもどかしさや獲物を見つけた時の興奮などから、クラッキングをすると考えられています。
ねこの狩猟本能が原因なので、問題はありません。
クラッキングには、もうひとつの理由があります。
それは飼い主さんに対する信頼感の現れです。
大切な存在を守りたいなどの気持ちが入り混じり、クラッキングをすることがあるそうです。
吸収病巣
吸収病巣は3歳以上の成猫に多く見られる症状で、なんと歯が吸収されて骨になってしまうという病気です。
犬にも症例がありますが、ねこに多くみられる病気です。
3歳以上の猫の50%程度に認められるそうですが、多くの飼い主さんは吸収病巣になっていることに気づかないことが多いようです。
破歯細胞というのは本来、歯の生え変わり時期に乳歯の根元を溶かして抜けやすくするなど、正常な歯の機能の一部です。
この細胞が暴走して、永久歯の歯頚部を溶かしてしまうのがこの病態ですが、詳しいメカニズムや原因は解明されていません。
放置しているとどんどん酷くなり、痛みからご飯を食べられなくなってしまいます。
根本的治療方法は抜歯しかなく、有効な予防方法もありません。
まとめ
ねこの口からカチカチという音が鳴っている場合、問題のない場合もありますが、念のために口腔内の状況を確認しましょう。
食事の様子など、異変を感じた場合は、早めに動物病院を受診しましょう。