プードルには体格の大小によってスタンダード、ミディアム、ミニチュア、トイの4種が公認されています。
また非公認でトイよりさらに小さいタイニー、ティーカップの2種があり、全6種が全て同じ犬種であるプードルに分類されています。
今回は一番小さいサイズであるトイプードルについてお伝えしていきます。
トイプードルの歴史
初期のプードルは現在のスタンダードのサイズで、西欧で使役犬として荷車を引き、カモ狩りなどをする水猟犬として従事していました。
フランス原産のイメージがありますが、プードル発祥の地は中央アジア北部もしくはロシアです。
プードルの祖先は西洋を横断して他犬種と交配を繰り返しながら広がり、最終的にドイツからフランスへ伝わったといわれています。
フランスでは水辺の猟をしていましたが、16世紀頃からフランスの貴族の間で飼われるようになって小型化がすすみました。
18世紀に画家ゴヤの絵画に描かれた犬がトイプードルの初めての記録だとされています。
トイプードルの性格
プードルは大変聡明で運動能力があり、好奇心が強い犬種で、ボーダーコリーの次に頭がいい犬であるといわれ、賢いプードルのバラエティの中でも、トイプードルが最も賢いとされています。
トイプードルは欠点の少ない優等生的な性格で、家族に対して愛情深く、他人やほかの犬に対しても上手に接することができます。
しつけしやすく飼いやすいのですが、しつけをうまくしないと間違った方向にもいきやすいので注意が必要です。
トイプードルに非常に多い病気
外耳炎
トイプードルは垂れ耳で耳道にも毛が生えていることから、耳垢に細菌が繁殖して炎症を起こしやすいといわれています。
膝蓋骨脱臼
後肢の膝の皿(膝蓋骨)がずれて脱臼する病気です。
足を触るとキャンと鳴く、後ろ足を不自然に上げたまま歩く、散歩を嫌がるといった症状がみられます。
先天性と後天性があり、後者の場合は転倒や高い場所から飛び降りたことをきっかけに発症する場合があります。
トイプードルをはじめ小型犬に多い疾患で、再発することも多く、体重制限や内科的治療のほか場合によっては手術が必要になります。
レッグペルテス
大腿骨が成長する時期に関節周囲に炎症がおこって、大腿骨頭への血液供給が悪くなることで大腿骨頭が壊死してしまう病気です。
遺伝性が指摘されていて、1歳未満の成長期に発症することが多いといわれています。
一度壊死してしまった大腿骨は再生しないので、壊死部分を切除する手術や、ときに人工関節に置き換える手術がおこなわれます。
水頭症
脳脊髄液の流れに異常が起こり、脳を圧迫する病気です。
姿勢の異常や失明、歩行異常、グルグル同じところを歩きまわるなどの神経症状があらわれることがあります。
手術は難しく、対処療法が中心になります。
気管虚脱
肺へ空気を送る気管がつぶれてしまい、呼吸が苦しくなる病気です。
初期は軽い咳からはじまり、ガーガーとガチョウが鳴くような音を出すこともあります。
つぶれ方がひどければ、充分な量の空気が通れず呼吸困難を起こしてしまいます。
はっきりとした原因はわかっていませんが、大型犬種には症例がなく、小型愛玩犬種に多くみられる病気です。
ほとんどは経過観察になりますが、気管の形を維持するための外科手術がおこなわれることもあるようです。
まとめ
一般的にトイプードルの平均寿命は14〜17歳とされていて、小型犬の中でも比較的長寿の犬種とされています。
健康的な犬種ではありますが、小型犬特有の疾患、とくに高齢期の疾患には注意しましょうね。