ねこにシーチキンなどのツナ缶を与えても大丈夫なのでしょうか?
原材料は魚だからねこが食べても大丈夫と思われがちですが、あまりオススメできません。
今回はねこに人間用のツナ缶を与えてはいけない理由を解説します。
基本的に人間の食べ物は危険
濃い味付けの人間用の食事は、総じてねこには悪い影響を与えます。
ツナ缶の主な材料はマグロやカツオなどの魚なので、一見するとあげても良さそうな気がしますが、塩分や脂分が多いので、内臓に負担をかけてしまいます。
また、そのほかの理由から、ツナ缶を与えることで思わぬ病気になる恐れがあります。
ツナ缶が危険な理由
塩分と油分
ツナ缶には塩分が多く含まれています。
塩中毒の危険性があり、過剰摂取によって血漿の高カリウム濃度が続くと、心疾患や心不全につながる恐れがあります。
ツナ缶の保存のために使用されているオイルは、摂り過ぎると肥満の原因になります。
メチル水銀
ツナ缶の原材料であるマグロには、ほかの魚よりも多くメチル水銀が含まれています。
メチル水銀は中枢神経に障害を与えるリスクの高い毒物で、海の食物連鎖の上位にある動物や、寿命の長い動物に高い濃度で蓄積されています。
厚生労働省は2005年に改定された「妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項」のなかで、妊婦や幼児、近く妊娠を予定している人に対して、マグロなどのメチル水銀濃度が高い食材の摂食を週に1〜2回以内に制限することを薦めています。
人間より体の小さいねこには、さらに影響が大きいことが充分想像できます。
アレルギー
原材料であるマグロやカツオに、アレルギー反応を示すねこもいます。
マグロやカツオなどを食べたあとに、元気がなくなったり目が充血したりする症状が見られた場合は、与えるのをやめて、速やかに獣医師さんに相談してください。
水煮やノンオイル缶なら大丈夫?
マグロやツナ缶には水銀中毒のリスクが指摘されていますが、それ以外にもねこにとって悪い影響を与えるリスクがあります。
ねこがマグロやカツオ、サバなどの青魚を継続して食べると、イエローファットという病気になることがわかっています。
イエローファットは、青魚にたくさん含まれる不飽和脂肪酸を過剰に摂取することによって発症します。
不飽和脂肪は少量であればコレステロールを下げて血液をサラサラにする効果がありますが、食べすぎると脂肪を酸化させることが知られています。
ねこの脂肪は本来白色ですが、この病気になると黄色く変色することから、黄色脂肪症(イエローファット)と呼ばれています。
後肢の間の腹部や胸部の皮下の脂肪が変性し、炎症やしこりが生じると、その部分に痛みが生じて、歩行異常を呈するようになります。
まとめ
缶を開ける音が猫缶を開ける音に似ているためか、愛猫がツナ缶を欲しがって仕方ないという声も聞かれます。
思わず与えてしまいたい衝動に駆られますが、ここはぐっと我慢しましょう。
ねこ用のツナ缶が販売されているので、こちらを代用してください。
また、ツナ缶に限らず基本的に人間の食事を与えることはやめましょうね。