ヘアレスキャットが生まれる理由を解説

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犬とねこ

ヘアレスキャット(毛のないねこ)の起源は、人間が偶然に発見したことから始まっています。

今回は、なぜ無毛のねこが生まれるのか、その仕組みについて解説します。

ヘアレスキャットの特徴

代表的なヘアレス種のスフィンクスとドンスコイは、まったく別の土地でそれぞれ偶然発見されました。

スフィンクスの発見

スフィンクスの起源は、1966年のカナダのトロントで、白黒のねこから生まれた子ねこの中に無毛の子ねこがいたことが始まりです。

このねこはプルーンと名付けられ、スフィンクスの始祖となりましたが、この血筋は数代を経て絶滅してしまったため、現在のスフィンクスは1970年代に発見された別の4頭の無毛ねこが基礎になっています。

スフィンクスはヘアレスキャットとして知られていますが、実際には桃の外側のように薄く毛が生えています。

耳や足先、睾丸、鼻鏡の周囲、しっぽなどにもごく短い毛も生えていて、ひげと眉毛もあります。

スフィンクスの皮膚にある毛包の数は普通のねこと変わりません。

毛幹が正常に成長していないため、毛がないように見えるのです。

ドンスコイの発見

ドンスコイの「ドン」とは、ロシアのロストフ・オン・ドンという町で発見されたことに由来しています。

町の子どもたちがサッカー遊びのボールとして使っていた袋には、生きている子ねこが入っていたのです。

見かねたある女性が袋を取り上げて子ねこを救出し、家に連れて帰りました。

バーバラと名づけられたそのねこには、毛が生えていませんでした。

やがてバーバラは無毛の子どもを生みました。

このことを伝え聞いたブリーダーが子ねこを引き取り、ブリーディングしたのがドンスコイの始まりです。

ドンスコイは生まれたときから無毛か、あるいは部分的に毛が生えている個体も、3歳になるまでにすべて抜け落ちてしまいます。

暖かい季節になると毛が抜け、冬になると生えるというサイクルを持つという個体もあり、その場合は全身ではなく首や頭部、背中など体の一部に毛が生えてきます。

メンデルの法則

無毛のねこが発生するメカニズムには遺伝が関わっています。

「メンデルの法則」をご存知でしょうか?

動物は2個一組の遺伝子をもっています。

子どもは親の双方から1つずつ遺伝子を受け継ぎます。

双方の親から異なる遺伝子を受け継ぐと、どちらか一方の遺伝子情報の形質が現れ、もう片方の形質は現れません。

優先的に現れてくる情報を持った遺伝子型を優性遺伝子といい、現れない方の遺伝子型を劣性遺伝子といいます。

メンデルの法則を語る際に人間の例としてよく持ち出されるのは、瞼(一重か二重)や背の高さなどがあります。

ちなみに、漢字の印象からしばしば誤解されますが、遺伝子型の「優性」とは優秀であるという意味ではありません。

無毛のねこの遺伝子情報

メンデルの法則により、両親の遺伝子を受け継いだ子どもには、劣勢遺伝子よりも優勢遺伝子の形質がより現れやすくなります。

スフィンクスの無毛の遺伝情報は、劣勢遺伝子に含まれています。

そのため、スフィンクスを繁殖させると、無毛の個体と、目に見えてわかる産毛や部分的に毛が生えている個体が生まれます。

一方、ドンスコイの無毛は優勢遺伝です。

そのため、スフィンクスに比べて、繁殖における無毛の出現が高いのが特徴です。

同じヘアレスキャットでも、その性質を決める遺伝子に優勢と劣勢という違いがあるのは不思議ですね。

すべてのヘアレスキャットのルーツはスフィンクスもしくはドンスコイ

ほかにも、以下のようなヘアレスキャットが公認されていますが、現在確認されている無毛猫種はすべて、スフィンクスもしくはドンスコイとほかの猫種を交配させたものです。

●ピーターボールド(ドンスコイとオリエンタルショートヘア、サイアミーズ)
●バンビーノ(スフィンクスとマンチカン)
●ユークレイニアン・レフコイ(ドンスコイとスコティッシュフォールド)
●ミンスキン(スフィンクスとマンチカンなど)
●エルフキャット(スフィンクスとアメリカンカール)
●ドウェルフ(スフィンクスとアメリカンカール、マンチカン)
●アポストロ(スフィンクスとスコティッシュフォールドなど)

まとめ

世界中にねこの品種改良に異常なほどの情熱を注ぐ人々が存在します。

ときにその情熱は、一風変わった品種を作出することに傾けられていきました。

無毛のねこは、人によってはエキゾチックで魅力的に見えますが、気味悪く感じる人も少なくないでしょう。

当然ながら、ヘアレスキャットには賛否両論あると思います。

ペットの品種作出にあたっては、珍奇なビジュアルだけでなく、その性格や遺伝性疾患の有無などの健康状態もくるめて、好ましい猫種として残すべきかどうかを考えるべきでしょう。

ちなみに、スフィンクス、ドンスコイともに遺伝性疾患は少なく、フレンドリーで可愛い性格なのだそうです。

 

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